イガグリ

一章

全く…何がなんやらなんやら、俺様には全くわかんにゃいにゃー
まぁ大体今日の事は、彼女の記憶から把握してるんだけどねぇ?
まーさーかーぁ?
あの『奇跡の魔女』がこの街に来たとはねぇ?

目的は『黄泉桜』か。

ククククククク

たっく…派手にやらかしてくれたもんだ。
おかげで、俺様が出てくるのが予定より遅くなっちまったじゃねぇかよ?

なぁ…おめぇもそう思うだろー?

あー悪い悪い、ガムテープで塞がれちゃ喋りたくてもも喋れないよな?

ほれ、とってやったぞ?

なぁ、そろそろ俺様の質問に答えてくれないかいにゃ―?
もう剥ぐ爪が残って無い…あぁ、もう手足もないんだったな!
けど、折角死なないように止血もしてるんだし、いい加減教えてくれよ?
答えてくれたら、もう一度手足繋げてやっても良いんだぜ?
こんなに良い奴、なかなかいねぇぞ?

さぁどうする?おっ!やっと話す気になってくれたか…

ふむふむ。

ちっ…てめぇーが主犯じゃないのか。じゃぁあの槍は?あの槍はお前のじゃないのかよ。
“あっ?あの槍は、依頼主から受けたものだって?
その依頼主は?知らない?あぁそーかよ。おめぇーら暗殺者は、金さえもらえればなんでもやるからな。
ちっ…おもいっきり無駄足じゃないか…

ん?なんだ?話したから、体を戻してくれって?あぁ良いぜ?

ただし…

【生きてる時】にとは言ってねぇーが―…

ククク…その表情、ぞくぞくするねぇ?

あばよ…暗殺者Aさん?って…もう逝っちまったか。原因は大量出血によるショック死ってところか?

…ったく。ひと波乱来そうだぜ。


くわばらくわばら。

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