イガグリ
一章
そして、一瞬動きを止めた魔術師の顔に彼の手が伸びて、覆面を掴み…
勢いよく引き剥がした。
暴かれたその顔は、瑞希達とそう年が変わらない少女のようだった。
「………えっ?」
その疑問の声は、彼女からではなく、なぜか竜二の方から聞こえた。
「…会長。もしかして、知り合いですか?」
「え…いや…」
「そんな奴は知らん。」
きっぱり言い放つ彼女に、竜二は若干顔を歪めた。
しかし、いつもの笑みに顔を戻して、彼女の名を言った。
「なんで、君みたいな人がこんなところに居るんだい?ねぇ…
東
」
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