一章 * 「イテテテ…酷いやい。瑞希の暴力女〜そんな凶暴な子は嫁の貰い手いなk…ふごっ!!」 「うるさい!この腐れ包帯アホ会長!!ほら、先に行きますよ!!」 そう言って竜二の先へと進む瑞希。 「あ…瑞希ちゃん。瑞希ちゃん。僕は重大な事実に気づいてしまったよ。もう、なんで千鶴さん言ってくれなかったんだろ?」 「…ちゃんづけで呼ばないでください。気持ち悪い。…で?なんですか、気づいた事って」 歩みを止めて振り返る瑞希。表情から明らかに不機嫌さが表れている。 「よくぞ聞いてくれた!!それは…今日が日曜日だっていう事だ!!全く瑞希ちゃんはうっか「知っていますけど」…へ?」 予想外の瑞希の返答に、笑顔を顔に貼りつけたまま竜二は固まった。 「え…瑞希は今日が日曜日だって分かった上で学校にい「だから、そうですって」…あのさ、今日って何かあったけ?」 「……。」 僕忘れちゃった〜と笑っている竜二をしばらく無言で見つめていた瑞希だが、足に着けていたケースから大きめの針のようなものを出し、 そして 竜二に向って全力投球した。 しかし、その針は、彼女と彼の間に現れた氷柱によって、竜二に届く事は無かった。 「チッ…相変わらず便利ですね、その能力」 「ねぇ、今チッて言った?瑞希?今、本気で僕の事殺そうとしたよね?!ね!?」 氷柱の陰から抗議する竜二。相変わらずいつもの笑みは崩していないが額には汗が浮かんでいた。 「ええ。言いましたよ。だってあまりにも会長がアホすぎて…ところで、今のセリフ本気で言っているのですか?今日はエイプリルフールじゃありませんよ?」 「本気も何も!僕はいつだって全力投球で生きて…わっわっ!!そんな物騒なもの仕舞って!!仕舞って!!頑張って思い出すから!!」 そう言ってうーん、うーんと唸る竜二。 ← 前へ → 次へ ⇒ 戻る ⇒ TOP |