三章 * 朝食を終えて、学校に向かう瑞希達。 ちょうど大通りに出たとき、後ろから阿片が声をかけてきた。 彼らを見つけて走ってきたのだろう、少し息切れをしている。 「おはよう!瑞希!竜二も!」 「おはようございます」 「おはー…あれ?小雪ちゃんは?」 「あー…あいつは、今日は休み」 そう言ってサングラスを触る阿片。 そんな阿片に竜二は聞こえるか聞こえないかの声で、「さぼりだーいけないんだー」と茶々を入れた。 聞こえていたらしく竜二を軽く殴って、他愛のない話を始めながら歩き始める阿片。 瑞希もまた彼の話に便乗して歩を進めた。 大通りだからだろう、この時間でも交通量が多く、車が往来している。 今日は、やけに大型車が多いと感じた瑞希は、「どこか工事でもありましたけ」と呟いて首を傾げた。 しばらく歩いていた彼らだったが、交差点にたどり着き信号の色が変わったので、歩みを止めた。 途中信号待ちをしていた彼らの横に巨漢な女性が立っていた。 顔は、サングラスと髪であまり見えないが、雰囲気からして外人だろう… 青系の髪色で、左側には白色のメッシュが二本入っており撫でつけてるような髪型である。 彼女は、腕組みをしながらたばこを吸っている。 この街の住人ではない事は、一目でわかった。 阿片は、竜二に耳元でささやいた。 「見ろよ…ナイスバディのイケメン外人お姉さんだ」 「胸は、デカけりゃいいってもんじゃないよ」 「あの大きさだと何カップになるんだろうな…竜二…わかるか?」 「君ってやつは…うーん…」 あきれた表情で阿片と会話していた竜二だが、目はしっかりと彼女の胸にくぎ付けだった。 瑞希は、ため息をついて「人の事言えないじゃないですか」とあきれ気味に言った。 信号が変わり、彼女は瑞希達とは別の方向へ歩いて行った。 彼女が歩き去って行った方向を見つめながら竜二は、まだ「うーん」と唸っていた。 彼の様子に気が付いた瑞希は、「置いていきますよ」と声をかけて横断歩道を渡る。 瑞希に声をかけられて、竜二は慌てて瑞希達を追いかけて行った。 渡り切ったとき、竜二はもう一度彼女が去った方向を見て、独り言を言った。 「おっかしいな…胸のサイズが分からない…?」 前へ |