イガグリ

プロローグ

ねぇ?

君は…×××はさ。

狂おしい程何かを願った事は無いかい?

どうしても叶えたい望みは無いかい?
 
…ふふふ
その顔だと有るみたいだね。
全てを犠牲にしてでも何かを叶えたい望みが。願いが。

…分からないな。
だって、君のその感情は『僕達』の役目と余りにもかけ離れているのだもの。
「完全」な『僕達』にあってはならない「不完全」なんだ。
まぁ…「不完全」な『君』だからこそ『僕達』とは違う道を見つけたのかもしれないね。

そんな君に『僕』から、とっておきの話を教えてあげる。

あははは。



そんな身構えなくてもいいよ。

うーんとね…あれだ、次のステージに進めた時に出るクリア特典とでも思っていてくれ。サービスサービス。
このご時世、サービス精神にあふれた奴しか生き残れないのさ。ここテストに出るよ。覚えといてね。
『僕』は後輩には優しいのだよ。文化系部活並みのフレンドリーさが『僕』の持ち味なのさ。

そう。たとえば、今から殺される相手にこうやって情報提供するほどに…ね?

…おっと、話が逸れてしまった。ごめんね。ねんめご。

さて、本題に入ろう。君は、この街の近くにある「黄泉桜」と呼ばれる桜を知っているかい?
この桜。「望みを叶える」という『奇蹟』を起こす特別な桜だそうだ。

ふふふ…

まさに、君ぴったりな代物じゃない?

でもね…

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