イガグリ

二章

「ひっぐ…うっ…もうヤダァ…この学校」

そう言ってソファーに泣きつく東。
あの後、瑞希が止めるまで竜二と小雪に追い掛け回され、彼女の精神はかなり消耗したようだ。
泣きじゃくる東を見ながら、阿片が聞いた。
「なぁ、魔女さんよ…具体的な『期限(タイムフレーム)』は分からないのか?」
「ん…ひっぐ…一応…目途はついてる」
「いつなんだ?」
「十二月二十五日…」
「クリスマスかい!」
「…まぁあと一か月以上はあるという事ですね」
「そうだな。それだけあれば『人柱』がなんなのか分かるかもな」
「最悪『人柱』が人間じゃない事だけでも分かれば、脅威は無くなるからな…」
東は、そう言ってソファーにうつぶせになる。
竜二はため息をついてこう言った。
「とりあえず、今日のところはこれでお開きにしない?阿片達の協力が得られただけでも、大きな成果だしさ。
 東はこんなんだし、明日の放課後また集まることでいいかな?」
「まぁいいぜ。家帰ったら何か調べてみるわ」
「お願いするね。桜の養分なんかにはなりたくないからさ」
そういっていつもの笑みを浮かべる竜二。

こうして最終下校も近くなった頃、彼らは解散した。
前へ
次へ

 戻る
 TOP
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -