二章 「…………誰が、誰を…です?」 「いや、だーかーら、竜二が東さんの事をだよ」 そう言って一人で納得する素振りをする阿片。 そんな阿片に自身の能力で作った氷を投げつけながら竜二は叫んだ。 「違うから!!そんなんじゃないんだから!!全然?全く?好きとか?ねぇ??」 「…話がよく読めないのだが。こいつと会ったのはつい最近だぞ?そんなにすぐに好きになるものか?」 「そうそう…僕と東は最近…そう最近会ったばかりだから!!!」 東の言葉に一瞬顔をしかめたが、彼女のセリフに便乗するように竜二は否定した。 しかし、その反応を見て、阿片はますます口元にやけさせた。 「おいおい、そんな否定してるけど会長さんよぉ、鏡見てみ?顔真っ赤だぜ?」 「な…なっなっな!!」 確かに竜二の顔は、茹でタコのように赤くなっていた。 違うもん!!とまた叫んで氷を阿片に投げつける竜二。 それを紙一重でかわしながら茶化し続ける阿片。 先ほどの蹴られた分の復讐といったところだろう。 「…まぁ、好きじゃなかったらわざわざ制服なんて作らないよね、瑞希ちゃん?」 「…?そんなもですかね。私はてっきり趣味でやってるとばかり」 騒いでる男子陣を見つめながら、会話をする瑞希と小雪。 そんな二人の会話聞いていた東は、ふと思い出したかように瑞希に聞いた。 「てか、瑞希は怒らないのか?」 「はい?」 突然の質問に理解ができない瑞希は眉をしかめた。 そんな反応の瑞希を見て東もまた眉をしかめる。 「だって、瑞希と竜二は付き合ってるんじゃないのか?」 「……………は?」 「だーかーら、瑞希は竜二の彼女で、竜二は瑞希の彼氏なんだろ?もし、竜二のやつが本当に私の事好きだったら、これは、 いわゆる『浮気』ってやつなんじゃないのか?」 東の突拍子もない発言に、男性陣も思わず動きを止めた。 そして、しばらくの沈黙が続くと 「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!????」」 瑞希と竜二の叫びが朝の理科室に響き渡った。 ← 前へ ⇒ 戻る ⇒ TOP |