Shareing Love-4-
「七生、好きだ。ずっと、幼稚園の時から、お前しか見てない」
「僕も、七生が大好きだよ。ずっとずっと大好き」
「うん、俺も、六実と八穂が、大好き」
フォークを落とした六実と、スープをこぼした八穂に思わず笑った。
「八穂、皿運ぼう」
「いい、七生、座ってろ」
「六実が作ってくれたんだ。俺達が後片付けするべきだろ」
「俺がしたいんだよ。座ってろ」
六実がそう言いながら、キスしてくる。
軽く触れるくらいのキスが心地よい。
強引に体を触られた時よりも、うん、と心地よかった。
「…あの、今日母さんも父さんも夜勤だから…」
「いいの? 七生、まだ心の準備が…」
「ちゃんと俺の気持ちもわかってくれたから、いいんだよ」
「七生、どうしよう、僕嬉しすぎて、鼻血が…」
「七生、どけ、汚い血がつく」
「汚いとか失礼だよ、六実」
「うるせえ、八穂」
六実と八穂が嬉しそうに喧嘩をするのを見て、俺はそっと八穂の鼻にティッシュをつめた。
王子様顔はティッシュをつめてても健在で、少し笑う。
「先に、シャワー浴びてくる」
「あぁ。…七生、好きだ」
「六実、俺も好きだよ」
六実の耐えらない、とでも言いたいような表情を見ながら、俺は風呂場へ向かった。
「六実ばかりずるい。僕も七生に好きって言ってもらいたいな」
「じゃあ、後で言って貰えよ」
「そうだね。六実が言ってもらった倍以上言ってもらおう」
八穂が鼻からティッシュを抜き取るのを見ながら、六実は運んだ皿を洗い始めた。
テーブルに残った皿を運んだ八穂は、七生の部屋にいる、と六実につげ、2階にあがっていく。
「ん…」
熱いシャワーが体を洗う。
ドキドキと胸が鳴っていて、落ちつけようと深呼吸する。
六実も八穂も、どっちも好き。
物ごころついたときからそうだった。
朝、2人に襲われた時は、怖くてあんな拒絶することを言ったけど、内心は嬉しかった。
「…あー、緊張してきた」
体についた泡を落とし切って、風呂場を出た。
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