Shareing Love-3-
リビングに入ると、八穂が六実が作ったものをテーブルに並べた。
テーブルにつくと八穂が満面の笑みを浮かべ、六実も小さく笑う。
ぽんぽん、と六実に頭をなでられ、八穂に肩を撫でられる。
緊張していたのか、体から力が抜けた。
「七生、お腹すいたでしょ。たくさん食べてね」
「俺が作ったんだけどな」
「六実のご飯、美味しいから好き」
「そう…か。また作ってやるから、部屋にこもるなよ」
「…うん」
六実が嬉しそうに笑ったのを見たら、頬が赤くなるのを感じた。
前に座った2人は静かに俺を見て、何か言いだそうと口をもごもごとさせている。
2人の幼いころの癖だ。
何か言いたいときは、くちをもごもごとさせる癖がある。
「なに、何か言いたいんだろ?」
「…七生、怒ってるか…?」
六実の小さな声が聞こえてきて、俺は目を見開いた。
部屋から出て行ったときはあんなに俺様だったのに、八穂も同じようにしゅんとしているようだった。
「怒ってない。けど、怒ってる」
びくっと八穂が体を震わせた。
それから、かたかたとスープが入ったボール型の器を揺らす。
六実はそれを見て、かたかたと震えるのが移ったのか、フォークをかちゃかちゃと揺らした。
「八穂も六実もうるさい。…落ちつけよ」
「お、おちついてるよ、落ち着いてる」
「八穂、お、落ち着いてないだろ、」
「もう、うるさい! …八穂も六実も聞けよ」
こくこくと2人が頷く。
2人は落ち着いてきたのか、かたかたかちゃかちゃと鳴る音が消えた。
俺が話すのを待ってるのか、2人は静かになる。
「俺は、ずっと、2人のことが好きだったんだよ」
「えっ?」
「聞いて! 急に体ばっかり求められたって、信じられないよ」
俺がそういうと、六実と八穂ははっとした。
それからごめん、と謝る。
八穂が不安そうに俺を眺めてきて、俺は小さく笑った。
「ちゃんと、好きって言ってよ、馬鹿」
八穂と六実が嬉しそうな表情をしたのを見て、俺もほっと息をついた。
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