良く言えば、悪く言えば-4-
食堂にいけば、沢山人がいた。
まあ、もちろんだけどね。
皆、俺が人と触れ合えないから、道を開いてくれるから、楽ー。
あ、会長が居る事もあるけどね。
今日はS定食にしよ。
月に一回のご褒美。
S定食は役付きの人しか食べれないんだよー。
「天瀬、何食べるんだ?」
「ん? えーっと今日はS定食にしようと思ってますー」
あれ、先輩目が開いてる。
ん。いつも開いてんだけど、驚いた時、目開くでしょ。そんな感じ。
「奇遇だな。俺もS定食にしようと思ってたところだ」
「…わぉ。かいちょー先輩、俺と気が合うんですね」
「みたいだな…。ってまた、コーンスープ」
奇遇ですね。
それは俺に食べられる運命なんですよ。
会長。
「あ…、かいちょー先輩ってミ○キーすきなんですか?」
「いや、別に」
うそーん、じゃなんで持ってるの
「そういえば、最近、専用席座れませんねー」
「ああ、あれ以来な」
「…やだなー。あの場所、ベストポジションだったのにー」
会長は、同じ考えだったみたいで、溜息ついた。
うん。俺もつきたい。
そういえば、最近ずっと会長と過ごしてるよ。
まあ、会長男前だから、嫌ってことは無いんだけどね。
風紀の友達が言ってた。
俺は、気を許した人じゃないとずっと一緒にいないって。
まあ、普通だけど、俺ってば、人より頭一個分出てるみたい。
ってことは、会長に気を許してるのか。
「天瀬? …お前、トリップすること多いな」
「トリップ? …まあ、一人でいるほうが多いですからー、考え込むのも多いんですよーきっと」
会長は、俺の言葉に眉間に皺を寄せた。
会長、その癖直したほうが良いですよー。
あ、やっぱ、S定食のコーンスープの方がおいしい。
「かいちょー先輩って、恋人いるんですか?」
「…なんだ、急に」
あ…、俺ってばうっかり☆、考えてもいないこと聞いちゃった。
まあ、気になってたんだけどね。
「恋人はいないが?」
「…?恋人はいないってことは、好きな人はいるってことですか?」
まさか、わんことか双子とか、ふくちょーとかみたいに、王道君が好きとか…やだなぁ。
「…まさか、王道君。とか言いませんよね?」
わわ、また、何も考えず発言しちゃった。
「王道君…? 転校生の事か?」
「…はーい。そーですよ。ほら、みんな、転校生好きじゃないですか。一匹狼君もデレデレらしいですよ」
「そうなのか」
はい。今日すれ違った一匹狼君の親衛隊さんらしき人が泣いてました。
「この様子じゃ、制裁が始まってもおかしくねぇな。副会長のとこは厳しいからな」
「そですね。っていうか、全隊が動くんじゃないですかー?」
制裁。
俺、制裁は許せないとかそういうタイプじゃないんだよね。
むしろ、して欲しい。
こんな、糞餓鬼に、俺の生活壊されるくらいならねー。
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