Gerbera
性的表現が多発しております。
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Gerbera
「あ、っ、鷹誓様っ、鷹誓さまぁっ…」
保健室のベットが軋む音を聞きながら声を上げれば、鷹誓様は少しだけ笑って答えてくださった。
嬉しくて涙が零れたけど、気にしてられないくらい心地良い。
小さく喘げば、鷹誓様ははっと息を止めた。
それから、ゆるゆると僕の頭を撫でてくださる。
そんな些細な事が嬉しい。
小さな音が聞こえてきてうっすらと目を開けて、少し開いたカーテンからドアの方へ視線を馳せた。
「染井、集中しろっ」
「あ、あぁっ! ごめんなさ、いっ、たかちかさまぁっ」
「ほっんと、染井って、女みてえ」
「あ、…んっ、」
ドアの方がどうしても気になって、もう一度視線を戻した。
そこには、鋭い、射るような目でみている人がいた。
どこか、得物をとらえるようなー…っ。
「っあああッ!!」
「そ、めいっ」
体の奥底から湧き上がってくる快感に、堪えきれずに零してしまう。
瞑ってしまった目を開けて、扉へ馳せればその人が笑っていた。
ああ、あそこに居たのは、。
「染井、ありがとな」
「ん、い、いえ、鷹誓様のお役に立てたのでしたら、光栄です」
「おう。じゃあな」
「はいっ。また、おねがいします」
「ははっ。おう、またな」
鷹誓様、道長鷹誓様は僕達の学園の生徒会長様。
僕は彼の親衛隊である。
鷹誓様が保健室を去って行くのを目にしてから、僕も保健室を去る。
コンドームを付けて行っているから、後処理は簡単。
それを済ませてから僕は図書室へ向う。
いつもの習慣。
鷹誓様の温もりを忘れたくない、というのもあるし、こういったことがあると、なぜか少しだけセンチメンタルになる。
だから図書室へ向う時が、心地良い。
ぎぃ…と小さく音を立てて入れば、無人の図書室は涼しかった。
窓が開いたままで、心地よい風が吹いている。
薄暗い、本の香りも、静かなこの空間も愛おしい程、好きなもの。
本棚の奥にあるベランダへ出れる、窓へ背を預けて座りこむ。
僕の一番、気にいってる場所。
足を放りなげ、一息吐く。
「…」
向側の窓の方を眺めれば、青い空やグランドが見渡せる。
穏やかな心地良さに、もう一回息を吐いた。
ぎぃ…
入口の重たい扉が開く音が耳に入る。
本を返しに来た生徒だろうか。
かつかつと歩く音が、なんだか、冷たいものを連想させる。
足音が、僕のいる本棚で止まった。
「サボリか」
冷たい、鋭い声。
けれど、その声の主は返事を待っているようではない。
答えずにいれば、声の主は本棚に寄り掛かったようだ。
何かがカチカチと音を立てている。
その何かは、やがて、ボッと音を立てて、煙を上げた。
どうやら、煙草を吸っているようだ。
ここは、図書室なのに。
「煙草。外で吸ってください」
「あー? じゃあ、そこどけ」
「…ここは、僕がいるので。別なところでどうぞ」
「俺はここがいい。ベランダ出るからよ」
僕が立ちあがったのを感じたのか、彼は僕の前へ姿を見せた。
「道長、様」
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