好きです!!
ストーカー後輩×変人先輩
「リウ先輩!!好きです!!」
大きな声で愛の告白を貰った。
後輩に、学校の屋上から。
好きです!!
ざわざわと騒がしくなった校庭に、教師たちが屋上を目指した。
生徒達の前で雄弁をふるまっていた生徒会長は茫然としている。
俺は、その表情を見て思わず笑ってしまった。
台風の目、というものを初めて見た気がした。
当の本人達よりも、周りのほうが忙しい。
なんだ、これはとても面白いものではないか。
屋上についた教師たちが、大声でどなり散らしているのが聞こえる。
その、告白してきた後輩は手すりを乗り越えて、こちらを向いていた。
「The fellow who goes mad is not hated!!…狂ったやつは嫌いじゃあない!!」
そう叫び返せば、そいつは飛び降りた。
台風の目は壮大な奴だった。
飛び降りたアイツは奇跡を起こしたらしい。
学校のすぐ隣に生えていた大樹の上に落下した。
のを、友人が見ていた。
俺はその時、屋上の様子を写メってたから。
「リウ先輩!!」
駆け寄ってきたアイツは子犬のようで、なんだか可愛い。
「お、俺と、お付き合いしてください!!」
二度目の告白を、携帯のカメラ越しに受け取ってしまった。
これはもちろん、
「オーケー」
好きです!!
台風の目で、愛の告白を!!
end
オマケ
「お前、名前なんて言うの?」
「っは!!…流斗です」
「りゅうと?…リウ…。なんか似てるな」
「そ、そうですね!!リウ先輩、可愛すぎます!!」
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