罪悪感? なにそれおいしいの
平凡君が王道君と生徒会メンツをけちょんけちょん?
風紀委員長×平凡
「ああああ、もう我慢ならない!」
食堂に響く僕の声。
ああ、もう我慢できない。
罪悪感? なにそれおいしいの
僕の通う学校は、山奥、金持ち、全寮制男子校という妙な三点セットでお得な学園だ。
幼稚舎から大学部まで。
大学部は外から来る生徒も多いけど、高等部まではエスカレータ式で上がってくるからほとんど生徒は変わらない。
けれどマンモス校でもあり、クラスは多い。
そんな山奥の男子校では、顔、金がそろった人気な人気な生徒様には古風なかほりのする親衛隊なんかが存在してる。
で、この学園は生徒の自立と個性を尊重とかいうのを掲げてて、学園の運営のおおまかな部分は生徒会が担っちゃってたりする。
そんな生徒会役員は、抱きたい抱かれたいとかふざけたランキングで選出されて、生徒会さまさまな学園が出来上がっている。
そんな学園に一匹のまりもが飛び込んできた。
こいつは今まで平和だった学園を一気に破壊したまりもだ。
ああ、なんて恐ろしい。
親衛隊持ち生徒会役員を全員ゲットだぜーして、まりもにうつつをぬかした生徒会役員が仕事を放棄して学園の運営をガタガタに。
暴力強姦あふれる大変な学園に見事変えてくれましたとさ。
現在は最後の力を振り絞って風紀委員長様ともろもろが立て直しにあくせくしてる。
して、僕がなぜこんな怒り狂ってるかっていうと。
話せば長くなる。
簡単に言うと、まりもが僕の同室で勝手に僕を親友に認定して連れまわして親衛隊、生徒会に暴力強姦まがいのことをされて、ましてや、ましてや僕の愛する風紀委員長さまにご迷惑をかけているからだ。
今まで我慢してきたのは、風紀委員長様に止められていたから。
昨日、風紀委員長様が倒れてしまって僕はもう耐えきれなくなった。
「な、どうしたんだ、じろー」
「じろうじゃないつぐろだっつうのまりも死ね!」
「死ねとかいうな! 最低だ!」
「そうですよ! つぼみになんていうこと言うんですか!!」
「うっせ作り笑いしてる私なんて健気なの誰も私の本性わかってくれない!とか言って中二病くせえかみがたしてる副会長と言う名の中二病患者ァァァァ」
「なっ」
「作り笑いなんてしてんのばればれだから!まりもがいわずともみんな知ってるから!ていうか世の中のおおよその人は作り笑いして生きてますからぁああああ」
しん、とした食堂の中。
僕は鼻息荒く副会長を見た。
がっくりと床に雪崩れた彼にガッツポーズする。
まりもは何かを考えてるようで、頭を下ろしていた。
「じろう! 本当は寂しかったんだな!」
「つぼみ、やめろ、こいつみたいな平凡にかまうな」
「おっと次は馬会長ですか。馬会長。あんたはなんだっけ?ええと、ありがとう。食堂でそこのまりもにキスして殴られて惚れたぁぶっっっはあああああ。マッゾっ。めっちゃドエム!」
「ド…エム…」
「はい終わり。ほら次ぃ! 愛しのまりも君をかばわねえのかぁー!?」
会長が床に崩れて、win。
チャラ会計と無口わんこ書記は委縮していて、双子はもぞもぞしている。
どうした双子。
「ひ、ひどいいいいいっ、お前には罪悪感っていうものがないのかあぁああ」
会長が床にごろごろと寝転がって泣きわめき始めた。
「罪悪感? なにそれおいしいの」
end
ごめんなさい。まりも退治まで辿り着かなかった。
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