仲良しさん

ただのイケメン×おバカさん


誰もが寝静まる午前2時。
暗い部屋の中で、ゲームをする。俺。
ふたりがけソファーにひとりがけしている。


「…なにしてんの」

「ホラーゲーむひゃああああ」

「アホか」

ビールを片手に俺を蔑んだ眼差しで見てきた友人の栗木を見つめた。
…むかつく。
俺にもくれ、と伸ばした手に、ビールの缶が手渡された。


「小ノ島、夜中までゲームしてるから次の日眠たくなるんだろ」

「だってさぁー、今日しかできないだもん」

「土日休みだろ」

「バイト忙しいの」

ぷう、と可愛くない俺が可愛い仕草をする。
栗木はつまらなそうにゲーム画面を見てた。
ちょっとはこっちをむいてください。ほらほら可愛いだろう。


「馬鹿な顔してんじゃないよ」

「ういー」

こつん、とビールの缶で頭を叩かれて、三角座りをした膝に顎をのせた。
隣の栗木はちらりと俺を見てもう一度画面に目を向ける。


「栗木さん栗木さん。寝ないんですか」

「俺明日休みだから」

「付き合ってくれんの?」

「別に。まだ飲むんだよ」

どこに隠してたのかビールの缶がどんどんとテーブルの上に載せられた。
怖い顔が映っているゲーム画面をつまらなそうに見ていた栗木が、俺の方を向く。
畜生、イケメンめ。むかつくぞ。


「栗木さん?」

彼の真っ黒な瞳が俺を見つめる。
なに、この雰囲気…。


チュッ


「…ちゅ?」

唇に触れた柔らかな感触。
目をぱちくりさせていたら、めったに笑わない彼が小さく笑った。


「アホ面」



end
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