ふがふが
口悪苦労性×腐男子ビッチ
「う、はあんっ、さいこー、こんなとこでなんて」
隣で喘ぐような声を上げる友人に、俺は目を疑った。
友人の名前は、如月夜人。
綺麗な名前に綺麗な容姿。
山奥の全寮制男子高校では、こいつはモテる。
正直言って、独裁をふるっている生徒会よりもモテる。
可憐な美少年としてモテる。
その友人は、今男同士のまあそのあれだよを見て興奮していた。
ふがふが
「しろたぁん、お願いっ。西棟の音楽室連れてって」
事の始まりはこの一言だった。
この友人は、俺に俺のテリトリーである西棟(ガラの悪い奴等が集まっている棟)の音楽室(カップルの穴場になっている)に連れてけ、と甘えてきた。
友人に甘い俺は仕方なく連れて来て、その音楽室の中が覗ける窓の外で待機していた。
「あうッ、来たっ。…やっば、どうしよ、生BL、やっば、興奮するんだけど」
この寒い秋に窓の外で何を見るかと言えば、生BLとやら。
隣で喘ぐような声を出す友人に、若干白けつつも、なんだかんだ言ってこいつのことが好きな俺は若干興奮していた。
が、野郎のあーなんざ、俺は見たくない。
「萌えるよーっ、どうしよ、しろたん、勃っちゃいそお」
「お前、普段に増してキモイ」
とかいいつつ、こいつの声はかなり可愛らしい。
美人のくせに可愛い声とか、舐めてるのかってガンつけてやりたいくらいだ。
窓の中を必死に除く友人を眺めながら、俺は溜息をついた。
「はァッ、…次のメインはホスト教師×さわやか君に決定だわこれああやばいっ」
窓の中から喘ぐ声が聞こえてきて、余計に溜息を吐く。
隣のこいつはメモ用紙なんて出し始めて、何か書き始める。
正直言うとメモを見ても走り書き過ぎて、読めない。
「ひうっ、玩具攻めですとこんなとこでダメでしょあふ、やばっ!! どうしよ、しろたん、勃っちゃった」
「はァ!?」
隣を見ると顔を真っ赤にしてソコを押さえてる奴がいる。
それが馬鹿にしつつも魅力的で、俺はそいつを抱き上げた。
背はそこそこのくせに軽いこいつは、いいところが当たったのか、あん、なんて小さく喘いだ。
外で興奮するやつがいるか馬鹿野郎。
「しろたん、いっぱいしてね」
「…お前なァ…!!」
「顔射したぁいっ」
「させねえよ、してやるならいいけど」
「じゃあしてー」
「…はあ、好きにしてやるから黙れ」
「やあんっ、そこいじっちゃ絶頂ちゃうぅっ!!」
「あーっ!! もうお前、外でヤられてえのかよ!!」
「ひゃんっ!! 強気なしろたんももゆる!! ふがふがしてまう」
「…」
ふがふがってなんなんだよふがふがって
とか言ってるうちに、寮へ到着。
カードキーで部屋に入り、友人もとい変態をベットに投げた。
「…覚悟しろ」
「しますうううう」
ネクタイをはずして、ふがふが言ってる奴に俺は跨った。
end
おまけ
「しろたんってよく俺と付き合えるよね」
「…俺もそう思う」
「でも、息子の相性は最高だよね」
「…黙れ変態」
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