お昼の一時
時雨×椿
ぽかぽかと暖かい陽気に、リビングのカーペットの上で寛いでいた。
テレビも特に面白い番組もなく、適当に点けていたニュースを聞き流す。
隣で寝転がる椿もうとうととしていて、時雨は椿にそっとブランケットをかけた。
「眠たいね」
「うん…、おひさま気持ちい」
「そうだね。春らしいからね」
そんな会話を交わしながら、うとうととしていると、チャイムが鳴った。
「出てくるね」
椿にそう告げて、玄関へ向かう。
扉を開ければ、宅配便だった。
はんこを押し、荷物を受け取ってリビングへ戻る。
「なあに」
「ん? これ…? なにか頼んだっけ?」
「んー…?」
段ボールを開いてみると、たくさんの本が入っていた。
一冊取り出してみると、料理のレシピ本だ。
「ああ、この間本頼んだね。これはロイのかな」
「こっちは?」
「こっちは俺の。あ、その下にあるのは椿のかな」
「あ、ありがと…」
本を段ボールから取り出して、床に広げれば10冊以上並んだ。
椿の、時雨の、と分けていく。
椿の本は、お菓子や絵本。
時雨の本は、海外の本だったり、エッセイだったり。
ロイは料理のレシピ本と、医学書。
秋雨はデザインの本や、漫画だった。
「椿、絵本読もうか」
「うん」
本を重ねて置き、寝転がる。
それから、椿の買った絵本を開いた。
隣で真剣に眺める椿の頬を撫で、軽く口付ければ椿が頬を赤くした。
end
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