ポカポカ日和

春のリクエスト祭り
風太とむく
庵様


今日はとても天気が良い。
春の香りが開けた窓から入ってきて、陽だまりと心地よい風で本当に天気が良い。
そんな中、風太とむくはリビングのカーペットで昼寝をしていた。
少し肌寒さを感じ、目を覚ますと、隣にいたはずのむくがフローリングで大の字になって眠っている。


「寝相悪いなぁ」

風邪をひくと悪いから、むくを抱きかかえてフローリングに戻る。
二時頃から昼寝を始めたが、もう三時半を過ぎていた。
むく、と声をかけるとぐずる声とともに、むくが目を開く。


「おやつの時間だぞ」

くてくてのむくを座らせて、頭を撫でる。
風太のおやつの言葉にむくがようやく目をぱっと開いた。
テーブルについたむくを見て、風太はキッチンから小箱を持ってくる。
綺麗に入れられたクッキーを小皿に取り分けて、むくの元へもっていった。


「汰絽が、昨日作ってくれたクッキーだぞ」

「わあいっ、クッキー!」

むく用の小さなコップに牛乳を注いで、小皿の隣に置く。
風太もむくの隣に腰を下ろして、むくの手をおしぼりで拭いた。
いただきますをしてから、ふたりでクッキーを食べる。
作った本人は今日はお出かけしていた。


「うまい?」

「んー!!」

「よかったな」

こくこくと頷くむくの頬にクッキーの食べかすがついている。
それを取って、むくが食べる様子を眺めた。

春風がリビングの中に入り込んでくる。
ポカポカとした陽気とその風が心地よくて思わずうとうととした。
むくも同じようにしている姿を見て、風太は笑う。


「今日、あったけーから眠いなー?」

「ふうたもねむいの?」

「おう。でもこれ以上昼寝したら、夜寝れなくなるからな」

むくの頭を撫でてから食べ終わった皿やコップを片づける。
洗い物を済ませてからむくの元に戻ると、むくは絵本を出してきて絵本を読んでいた。
ふわふわの髪が風に揺れる。
汰絽にそっくりだな、と思いながらむくの隣に腰を下ろした。


「たろが帰ってきたら、外においしいの食べに行くか」

「うん! むく、ケーキ食べたい!」

「ケーキはご飯じゃないからなー。じゃあ、美味しいデザートのある店行くか」

むくが嬉しそうに小躍りするのを見て、風太は笑った。
穏やかな春風がまた部屋を駆け回り、むくと風太は窓の外を見た。

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