不器用なヴァンパイア*-13-

「…、足りない…」

「うん…、ちょっと、待って、」

息を整えながら、ベッドに横たわる。
風太は来ていた病衣の上を脱ぎ捨て、汰絽に覆いかぶさった。
唇を重ねて、それから深く口づける。


「ん、ん…、ふ…」

「…甘い」

「んぅ…?」

風太はキスをやめると、頬に一度口付け、今度は首筋に歯を立てた。
注入される快楽物質にあらがえずに風太の背中腕を回す。
ぎゅっと抱き付くと、ひんやりとした肌が心地よかった。


「う、ふぅ…、ん…ン」

「汰絽、汰絽…、汰絽、好きだ」

何度も耳元でささやかれ、汰絽はブルブルと身体を震わせた。
風太の低い声はまるで甘い血のように、身体に沁み渡る。
汰絽は返事をするように唇にキスをして、風太の首筋に唇を這わせた。


「…、僕、も…、好き、ずっと、一緒に…生きて…」

荒い息の中で返事をしながら、汰絽は風太の牙に酔った。
白いYシャツを脱がし、汰絽の真っ白な肌に指を這わせる。
汰絽もそれにこたえるように風太の背中に指を這わせ、何度も胸元にキスを送る。


「…、やくそく…、」

「なんだ…、」

「ずっと、一緒に生きるって、約束…」

「ああ、」

汰絽の言葉に風太はゆるく笑みを浮かべながら、汰絽の首筋にもう一度噛みついた。


「ッあああ、…っ、…んぁっ、」

太いものが身体の中心を貫く。
風太が耐えるようにシーツをぎゅっと掴み、汰絽の耳元で荒い息を吐く。
ぎゅっと太ももで風太の腰を挟み、足を巻き付け、身体を震わせた。
中に入り込んでいる風太がどくりと大きくなるのを感じて、息を吐き出しながら喘ぐ。


「…あ、っく…。すっげぇ、締め付け…」

「…ひぅう…、やだ、まだ、…、だめ」

「くっそ…、」

「あうっ」

軽く腰をゆすった時、汰絽のそこがきゅっと締め付けた。
風太は再度腰をゆするのをやめ、汰絽を見下ろす。
白い肌が少しだけ色づいていて、目を見張った。
トロンとした瞳も、ゆるく開いた唇も、零れ落ちる涙も、どれも綺麗で見ているだけで胸が締め付けられる。


「…あ、あ…、あ…」

中に太いものが入っている感覚に慣れてきて、そこが疼き始めるのを感じる。
きゅ、きゅ、と何度もゆるく締め付けはじめ、汰絽の身体が震えた。


「わり、もう耐え切れねぇ」

そう囁いてから、風太は律動を始めた。
汰絽の中はきゅうきゅうにきつく、それでいて肌とは違い熱かった。
どろどろに溶けた内部は風太の形を覚えるように何度も締め付けてくる。
腰を挟んでいる白い太ももも、汰絽が時折甘えるように背中に手を這わしてくるのもたまらない。
耐えるように指を噛んで喘ぎを我慢する姿を見て、風太はその手を取った。


「聞かせろ」

「…っ、ひぁっ、あっ、あっ、ん…あっ」

律動に合わせて漏れてくれる喘ぎ声が艶やかで、風太は舌なめずりをする。
唇に噛みつくようにキスをして、肩口に噛みついた。
汰絽がびくびくと腰を揺らしながら射精する。
肩口から吸い取った血が口の中で広がり、その甘さと濃厚さに風太はもっとと牙を深く押し込めた。


「…んんっ、あうっ、…はぁ、ん、ん…」

「汰絽、もう一回、言って」

「ん…んっ、ああっ、…な、に…っ」

「もっかい、好きって」

「ああっ、あんっ、…好き…、すき、…あっ、あっ、ひっ、あ…」

汰絽の奥まで自身を差し込み、もう一度噛みつく。
今度は血を吸わずに汰絽の身体に後を残した。
何度も腰を振り、汰絽の唇を味わう。
深いキスと、下唇を吸うことで、ぽってりとした唇が愛おしかった。


「…、いきそ」

「も、…なか、だして…」

「あ? …、なに」

「なか、に、だして…っ」

汰絽の言葉に風太は返事をしてから、汰絽の片足を掴みぐっと腰を押し付けた。
空いたほうの手で髪の中に指を差し込み、ぎゅっと抱きしめる。


「お前もいっしょに行け、」

そう囁いてから風太は中におぼえこませるように、ぐっと押し込み汰絽の中をかき回した。
腰がわずかに震え、中に欲望を吐き出す。
じんわりと広がっていくその間隔に、汰絽は声にならない喘ぎを漏らしながらドロドロと白濁を零した。
びくり、びくりと爪先が揺れて、風太の背中に爪を立てる。


「…っん」

「はっ、…はっ…、」

ぐちゅぐちゅと音を鳴らす中をかき回し、まるでマーキングをするように内部に塗り込めた。
汰絽は風太のその動きに喘ぎを漏らしながら、抱き付く。


「…っ、抜くぞ」

「ん…」

満足してからゆっくりと抜き取り、ベッド脇に置いてあったタオルで自分の刀身を拭く。
それから汰絽自身の白濁で汚れた腹部を拭いた。


「…、もう、渇いてないですか、喉」

「ああ、…お前は?」

「平気…、」

「風呂、入るか」

「お願いします…。立てない」

「ごめん」

そう言いながら苦笑する風太に、汰絽の瞳から涙がこぼれた。


「よかった…、」

その言葉の重さを感じ、風太は汰絽をぎゅっと抱きしめた。
髪を撫で、優しく背中を撫でて、抱き上げる。
そっと耳や耳裏にキスして、汰絽の頭を肩口に乗せた。
汰絽はぎゅっと首に腕を回し、小さく嗚咽を漏らしながら泣いた。
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