メリークリスマス!!-2-

「春野って料理できるんだな」

「まあな。普段はしないけど」

「ふふ〜…、ふうたさんはぁ、りょうりじょおずなんですようー」

汰絽がクスクスと笑いながら言うのを聞いて、むくが小さく笑った。
ワインを傾けながら、ケーキを頬張る汰絽が風太の肩に寄りかかる。
酔いが回ってきたのか、いつもより甘えたになっていた。


「たぁちゃん、酔っぱらってる」

「みたいだな。春野、そろそろ…」

「あぁ。むく、いってらっしゃい」

「行ってきますっ。壱琉、むくね、あそこの…」

手を振りながらリビングを出ていくふたりを見て、風太は微かに笑った。
酔っ払った汰絽の髪に口付けて、ワイングラスを取り上げる。
いやいや、と駄々をこねるような様子を見せて、思わず笑ってしまう。


「ワイン好き?」

「うん、好きです」

「ケーキ好きか?」

「うん、大好きです」

「俺は?」

「好き…。ワインよりも、ケーキよりも、大好き」

きゅっと首に腕を回してきた素直な恋人。
一瞬動きを止めてから、抱きしめ返すと満足そうなため息が聞こえてくる。
ぽんぽんと背中を撫でれば、ふふ、と嬉しそうな笑い声が返ってきた。


「ふうたさん、ぷれぜんとは…?」

「プレゼント?」

「ないの?」

少ししょんぼりした声に笑い、風太は汰絽を抱き上げた。
大人になってもそんなに大きさが変わらなかった汰絽はとても軽い。
ちゅ、と頬に軽くキスを送ると、幸せそうにふにゃりと頬を緩めた。


「幸せ?」

「しあわせ…」

「プレゼント、明日の朝な」

「うん…、もういっかい」

「ん」

もう一度頬に口付けてから、寝室の扉を開く。
ベッドの上に汰絽を下ろして、口付けた。


「ん…ん、」

「たろワイン臭い」

「ふーたさんも…」

とすん、とベッドに倒れて、寝息を立てる汰絽に微笑んだ。
すっと髪を梳いて、額に口づければ、幸せそうな寝顔が目に入った。
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