メリークリスマス!!
12/25
風太×汰絽、壱琉×むく
メリークリスマス!!
「いらっしゃい、壱琉さん」
「壱琉、いらっしゃーい」
可愛らしいお出迎えの声で、壱琉は思わずにやりと笑った。
愛おしい恋人と、恋人の叔父。
どちらも可愛らしい容姿だ。
おおきなケーキの入った箱をむくに手渡して、ブーツを脱ぐ。
「春野は?」
「風太なら、今キッチンでお肉やいてる」
「へえ、珍しいな」
「クリスマスは毎年そうだけど?」
「…だっけか?」
「もー、覚えてないのー? 来年は壱琉がしてよね」
はいはい、とむくの頭を撫でながら返事をする。
先にリビングに入った汰絽が、テーブルの上に料理を並べているのが目に入った。
クリスマスらしい料理が並んでいて、むくをみる。
「手伝ったのか?」
「うん。当たり前でしょ」
「偉いな」
「…ほめたって何もしないからね」
「はいはい。汰絽、手伝うことあるか?」
「むくの相手をしてて下さいな」
汰絽の言葉にクスクスと笑い、壱琉はむくとともに、リビングのカーペットの上に腰を下ろした。
目の前の料理にお腹が鳴る。
隣に座ったむくが笑うのを聞いて、むくの肩を抱いた。
「今日泊まる?」
「いや。ちょっとドライブ行って、そのままマンション」
「ん。たぁちゃんに言っておく」
「あぁ、頼む。一応、春野には伝えてあるから」
「そ。ありがと」
壱琉の指先がむくの髪を撫でて、頬に唇を触れさせる。
キッチンの方からごほん、とおおきな咳払いが聞こえて、むくが頬を真っ赤に染めた。
「壱琉、やめて」
「やめるさ。汰絽が怖ぇからな」
「壱琉ってたぁちゃんに弱いよね」
「ん? あぁ。お前によく似てるから」
「僕がたぁちゃんに似てるんだよ…」
少し照れながら笑うむくに壱琉は思わず微笑んだ。
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