いい夫婦の日

11/22はいい夫婦の日
風太×汰絽


「今日、いい夫婦の日ですね」

寒くなってから、急に晴れ渡った日。
ぽかぽかと日の光が温かくて、風太と汰絽はベランダで日向ぼっこをしていた。


「あー、そうか」

「はい?」

「いや、だからむくが気を利かせて遊びに行ったんだなって」

「あ、…なるほど」

汰絽が柔らかく微笑み、風太も同じように笑った。
穏やかな温かさに欠伸が出る。
フローリングに腰をおろし、窓の外に足を放り出す様に座ったふたり。


「膝枕して」

「どうぞ」

ぽんぽんと叩いた汰絽のふとももに頭を下ろす。
体制を整え、汰絽の頬を撫でた。
優しい色の髪が風に揺れる。


「たろ、じじいになってもこうしてようなー」

欠伸交じりの言葉に思わず笑みを零した。
風太はよくこういう言葉を使う。
いつまでも一緒に。
そう思ってくれてるのが素直に伝わる。


「はい。おじいちゃんになっても風太さんが格好良かったら、」

「俺はいつでも格好いいよ」

「そうですね」

クスクスと笑う汰絽に風太は小さく微笑んだ。
穏やかな時間が流れていくのを感じて、ほっと息をつく。
汰絽の細く繊細な指が風太の白髪を梳く。
優しい仕草に風太は目を瞑った。


「夫婦の形っていろいろあるんですね。…僕は、この形が一番愛おしいです」

甘い声が耳をくすぐり、風太は目を瞑ったまま汰絽の頬を撫でた。
その手に促される様に汰絽は風太の薄く開いた唇に口付けた。


いい夫婦の日 end
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