お揃いでもいかがですか-2-

「こんなに、僕のの方が多いじゃないですか。…いいんですか?」

「いいんだよ。汰絽の服選ぶの楽しいわ」

にやにやと笑う風太に、汰絽はものすごい顔をした。
その顔に風太はさっと目をそらす。
やりとりを傍にいたお年寄りに笑われ、風太はにこりと笑い返し、汰絽は恥ずかしそうに俯いた。


「たろ、休憩しよう。アイス食べるか?」

「食べたいですっ」

目に入ったアイスクリーム専門店。
店内に入ると、子連れやカップルが目立った。
風太がアイスを頼んで、持ってくる。


「早かったですね」

「結構空いてるからな。ほら、かぼちゃ」

「わーい。かぼちゃのアイス好きなんです」

「うまいよな。後でひと口くれ」

「はい。風太さんのはなんでしたっけ?」

「洋ナシのシャーベット」

「おおーっ。ひと口」

風太が傾けたアイスをぱくりと食べる。
ほんのりとした甘さに頬を綻ばせると、風太が汰絽の手を取りアイスを食べた。
甘いな、と呟きが聞こえ、汰絽ははっとする。


「甘いの、嫌いじゃなかったですっけ?」

「いや、あんま好きじゃないだけさ。お前が作るやつ好きだし」

「そ、それならいいんです」

もそもそと食べ始めた汰絽に軽く笑いながら、風太は袋の中をのぞいた。
結構買ったな、と思っていると、汰絽があ、と声を上げた。


「どうした?」

「そこに杏先輩とよし君と、…美南君が」

「珍しい組み合わせだな」

相槌を打ち、眺めていると、杏が気付いたのか、こちらを向いて指をさしている。
あ、と思っているうちに汰絽に手を取られ、その店を杏達のいる反対側の出口から外に出た。


「たろ?」

「…ごめんなさい、急に体が」

「そうか。…デートだもんな?」

「うっ…」

かああと真っ赤になった汰絽に、風太はおかしそうに笑った。
それから汰絽の頭をぽんぽんと撫で、手を繋ぐ。


「見られちゃいますよ」

「大丈夫。そこまでだから」

そこ、とすぐそこの曲がり角を指さす。
汰絽はこくりと頷いて、風太の手のぬくもりを味わった。
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