NGワード-5-

「…いだい」

「いい運動になっただろ」

「…最低」

「はいはい。ごめんって。…あのさ」

クーラーのついた部屋で毛布をかぶった汰絽は風太の言葉を聞いた。
聞いてくれてることを知っている風太は、毛布にくるまったいもむしのような汰絽を横抱きにする。


「別に、太ったのが嫌なんじゃなくてな」

「…」

「なんか、気持ちいいくらいだな、って思って言ったわけであって」

「…暗にお肉がついたと」

「違うって。抱き心地がよくなったなって。言い方は悪かった、ごめん。顔見せて」

風太が悲しそうな声を出したのを聞き、汰絽は毛布の中からもぞもぞと出てくる。
風太のTシャツを着ただけの汰絽は出てくると、風太の腹筋へ手を這わせた。
汰絽の横に寝転がった体勢で抱きしめていた風太は、急に出てきた汰絽に目を見開く。


「俺好みの柔らかさだよ。ふにふにしてて気持ちい」

風太の言葉に汰絽はすりすり、と風太の腹筋をさする。
それから何を思ったのか、ずぼっと風太のスウェットの中に手を突っ込んだ。


「お前っ、まだしたいのかよ」

「違いますよ」

「うわ、ちょ、握るな」

汰絽は布団を風太の腰にかけ、そこにもぐりこむ。
何をするのか、と布団をはぐった風太は、ぎょっと目を見開いた。


「…違くないじゃないか」

「この間、僕が部屋にこもってから、お風呂で1人でしたんでしょ?」

「…まあ、あおられてたし。あのふにふにの感触思い出したら2回ほどできた」

「…変態。そんな変態さんにはお仕置きですよ」

かぷっと、軽く甘噛みされて、風太は息を詰める。
布団の中でもぞもぞと動く汰絽に、思わず笑い声がこぼれた。


end
おまけ


「お前、すっげえ卑猥」

「卑猥とか」

「うますぎる」

「…べつに」

「練習したのか?」

「誰とですか」

「誰としたんだよ!」

「風太さんってたまにおバカさんになりますよね!!」

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