NGワード-4-

チャイムが鳴る音で、むくはだっと玄関にかけだした。
2人もつられて玄関に行くと、東条がむくを抱きあげているのが見える。


「よお、春野」

「ああ、むく、頼むな」

「おう。あ、そういえば汰絽、ダイエット中なんだってな」

「…何故それを」

「むくから聞いた。野菜ばっかじゃダメだろ。肉食え肉。つか、そんな太ってねえじゃん」

「おなかがつまめるんですって」

とげとげした言葉が風太の心をぐさぐさと傷つける。
不意に近寄ってきた東条は、むくを下ろし汰絽のTシャツをばっとめくった。
それからぽかんとしてる汰絽の腹部に手を当て、つまんでみる。


「はあー? これで太ってるって? これくらいがちょうどいいだろ。お前はそれでいいよ」

東条の言葉に、汰絽が目を輝かせた。
風太はこめかみをぴくぴくさせながら、むくを抱きあげた東条を追い出す。
自分のデリカシーのなさと、東条が意外と優しい言葉をかけるのに苛立ち、風太は汰絽の腕をつかむ。


「なんですか」

「うるせー」

そのまま汰絽を連れ、リビングに入り、抱きあげたかと思えば、ソファーに投げる。
わ、と声をあげた汰絽は、風太がTシャツを脱ぎ棄てた姿を見た。


「はう…っ」

まぶしい…とでもいうような表情をした汰絽に、冷静さが少し戻る。
いまだに筋肉フェチの汰絽は風太の腹筋を見たとたん、頬を染めた。



「痩せるのには野菜だけじゃだめだよなぁ? な、汰絽?」

「ひ…っ、」

「肉を食わなきゃな。…やっぱり、それより運動だよな?」

風太が覆いかぶさってきて、汰絽は後ずさる。
大の男が3人座っても広いソファーだが、そういうことをするには狭い。
すぐに逃げる場所はなくなり、汰絽は小さく悲鳴をあげた。


「運動、手伝ってやるよ」

足を開かれ、ぐっと腰を押し付けられ、汰絽は今度こそ、悲鳴をあげた。
悲鳴もすぐに甘いものに変わり、汰絽は風太がくれる刺激に体を答えさせる。
風太の上に乗せられ、自分で動け、と風太は動かない。


「乗馬って痩せるらしいよな。これもおんなじじゃね? ほら、動けよ。こうやって」

ぐいっと腰をつきあげられ、汰絽はごめんなさい、と喘ぐことしかできなかった。
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