NGワード-2-

「あ、ふ…、うぁっ」

やわやわと下腹部をくすぐられ、汰絽は身じろぎする。
リビングのソファーの上、風太の足の上に座った汰絽はきゅっと風太の頭を抱きしめた。
白い髪が頬をくすぐり、汰絽は小さく声をもらす。


「はぁ、風太さん、ここで…?」

「ああ。たまには部屋以外もいいだろ。キッチンで新婚プレイでもいいんだぜ」

「…ここで結構です。ぁっ」

「敏感だな」

声をもらす汰絽の弱いところを指先でくすぐる。
気持ち良さそうに体をよじる汰絽に、風太はかすれた声で笑った。
そっと汰絽の胸に口付けて、そのまま頭を寄せる。
早くなった鼓動が耳に入った。



「んー? …」

風太がんー、と呟きながら、頭を離した。
どうしたんですか、と、荒れた息の中訊ねると、風太は真剣な顔をしてんー、ともう一度唸る。


「んー…」

「なんですか」

「…いや」

苦笑しながら、口付けてくる風太に首をかしげながら、汰絽は口付けに答える。
うっとりと目をつむっていたら、急に腹部に痛みが走った。


「いったいっ」

「やっぱり」

「な、なんなんですか!!」

「ちょっとつまめる」

ぱっと下を向くと、風太の長い指先が汰絽のおなかの肉を少しつまんでいた。
かあっと頬が赤くなるのを感じて、汰絽はその手をぴしゃりとたたく。


「お前、太った?」

最後の一撃、とでもいうかのような風太の問いかけに、汰絽が無言でビンタをしたのは当然のことだった。
盛大な一発を喰らった風太はぽかんとして、顔を真っ赤にした汰絽は走って風太の部屋に入る。
追いかけた風太も部屋に入ろうとしたが、寸でのところで扉が閉まり鍵をかけられた。


「…?」

いまいち状況が把握しきれてない風太はズボンの中を覗く。
しっかりと立ち上がってしまっている自身に、溜息をついた。


「あー…」

多分、この扉は開かないだろう。
そう思い、風太は重い足を引きずり、風呂場へ向かった。
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