sparkling-2-

脱衣所からタオルを何枚も取り部屋に戻った。
ベッドに体を預け、息を荒くしている杏の元へ行く。
床に持ってきたタオルを敷き、好野は杏の手を引き、そのタオルの上へ押し倒した。


「よしくん、なにするの…」

「ん? …なに、杏先輩、怖がってる?」

「ち…っがっ、」

「違くないでしょ。…震えてる」

「…だ、って…、よしくん、なんか、」

わかってないな、と呟く。
今まで下半身に忠実だったこの人に、世の中の恋人の常識を諭すのは無理か、という思いが一瞬胸をよぎった。
それを払うように、好野は杏のジーンズへ手をかける。
凝ったデザインのベルトをはずし、細身のジーンズをおろす。
さすがにジーンズを下ろす時は、杏が抵抗した。


「…抵抗するんだ?」

「…っ、」

「あんたさ、誰と付き合ってるわけ…?」

「…え?」

「…すぐ答えられないんだ」

杏の呆けた顔に好野ははっと乾いた笑みを漏らす。
それから、杏の下着の上にワイングラスに入った発泡ワインを零した。


「ぁ、ぁっ! つめた、ぁ」

「気持ちいいの? …勃ってきた」

「…っンっ、」

必死に声をこらえようと、指をかむ杏。
そんな杏を見て、好野は加虐的な気持ちになる。
びしょびしょに濡れた下着の上から、杏の欲望に手を這わせた。


「ぐしょぐしょ。…杏先輩のかワインなのかわからないね」

「いあっ、…よ、しく、ひどいっ」

「ひどくないでしょ? …気持よさそうじゃん」

「ぁあっ」

ひときわ高い声を出した杏に笑い、好野は杏の下着を脱がす。
膝で下すのをやめ、好野は杏の足の間に体を入れた。


「…、ぐちゃぐちゃですね」

「ン、ンぅ、…っ、ぁっ、そ、こは、」

杏のものからこぼれ出す蜜を掬い、杏の着ていたロングTシャツを捲る。
それから、桃色に熟れた乳首に塗り込んだ。
好野の指先が、器用に動く。
杏は、その指先に小さく喘ぎ声を洩らし、跳ねる腰を抑えようと力を入れた。


「ァ、ンぁっ、ん、ん、ん…」

ふるふると震える内腿に、好野は体を下げ、そこに跡を付ける。
内腿から顔を上げると、杏が指を噛みしめ腰をびくびくと揺らしていた。


「イったの? …酒飲んでるのに敏感なんだね」

「よしく、ゆるして…っ、あッン」

「許して? …なんで怒ってるかわかるの?」

「ァっ、ァあっ、わかん、いよぉっ」

わかんない、と涙を浮かべる杏に、背中がぞくり、と疼いた。
そっと杏の両足を手を這わせ、下着を最後まで下ろす。
足首を掴み、大きく股を開かせた。
一際大きな声をあげて、手を素早く動かしてさらけ出された部分を隠す。
恥ずかしそうにふるふると首を振るのを見て、好野は軽く笑った。


「かわいい…」

「やだぁっ、よしく、だめっ、だめ、こんな、は、ずかし…ッ」

「もっと恥ずかしい格好するんだから」

きゅっと好野の体を足で挟む。
その締め付けにもう一度笑みを浮かべると、好野は杏の手をそっと外した。
手を外された杏は頬をシーツに押し付け、手を噛む。
杏の両足を持ち、そのまま足が胸につくくらい持ち上げた。


「ひっ、だめ! よしくんっ、こんなぁっ、だめっ、」

「ダメじゃないでしょ。杏先輩、俺に見られて興奮してるでしょ…?」

「あぁっ、」

ひくついた杏の後孔に指先を這わす。
吸いつくように閉口されるそこに、好野はぐっと親指を押しあてた。


「ぁ、ぁ、ぁっ」

「欲しい?」

足がびくびくと揺れる。
好野はその足を一撫でしてから、杏の後孔にローションをかける。
はは、とかすれた笑い声が漏れ、好野はそこに親指を埋めた。


「ーっひうっ、ぅんっ、ン」

あまりに異物感に、杏は足をきゅっと閉じた。
好野の目の前にすべてをさらすような格好にも体が震える。
ふれ合った内腿もじくじくと快感を煽った。
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