爽やかに愛して!

twitterの桃(千)の天然水から発生


「あっ!」

炭酸飲料水の入ったコップが倒れて、カーペットの上で眠っていた有岬に零れた。
髪を伝って、頬を伝って、唇を伝う。
ぷるん、とした柔らかで、張りのある唇に雫が零れた。
魅力的で、ごくりと息を飲む。
コップに伸ばしかけていた指先が震えた。


「…ごめん、」

そう呟いて、有岬に覆いかぶさった。
うっすらを開いた唇に、雫が入っていく。
思わず舌舐めずりして、有岬の唇に吸いついた。


目が覚めたら、ぞくぞくと背筋を辿る感覚にのけぞった。
首筋に這う舌先に有岬は手を動かす。
片手は掴まれていて、もう片方の動く手を動かした。
手に当たった感覚に、井上に覆いかぶさられてることに気付く。


“ひいやっ…せんせっ、”

「あ、…起きたか」

“な、な、な…!”

あわあわと動く唇に、井上は苦笑する。
それから、有岬の炭酸で濡れた髪をぬぐった。
半分脱げかけたTシャツに有岬はぎょっとする。


「…ごめん、炭酸零してさ。なんか見てたら、ムラっと来て」

“…ムラって、来たって、こ、こんなの、はずかし…っ”

「今の反則、恥ずかしがるの、俺が好きだってわかってるだろ」

“あ、せんせぇ、”

ごそごそと身じろぎする有岬に笑いながら、井上は有岬のズボンの中に手を突っ込む。
ぼっと顔が真っ赤になった様子が愛らしい。
震える有岬の足を撫でて、唇に口付けた。


「耳まで真っ赤、可愛い」

“いじわる、いじわる…!”

「俺が意地悪だってこと、知ってるだろ」

“だって、だって、こんなこと、だめ…っ”

いつになく駄々をこねる有岬。
どうしたことかと、思い、井上は有岬が落ち着くように髪に指をさしこむ。
しっとりと汗をかいた髪が愛おしかった。


「…わかった。ごめん」

“ふう…”

「でもキスだけはさせて」

ちゅっちゅ、と顔中に振ってくるキスに、有岬は笑った。
井上に軽く抱きつき、先ほどの情熱的な愛と違った、優しい愛を受け止める。


“周がね、エッチなことは週に1回か、月に1回にしなさいって言ってたの”

「…沖田とそんな話もするのか」

“時々。でも、頻繁にしてると、愛が冷めるよって言ってたから…”

「俺と有岬の愛が冷めるわけないだろ」

“でも、ほら、今、昼間だし…”

有岬の言葉に井上はガッツポーズを決めた。
今夜はイケる。
そんな気がしてきて、爽やかな先生の姿はもうどこにも見えなかった。

爽やかに愛して

end
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