私の愛すべき強さ-2-

隣で眠りについた夜月を眺め、周はそっとその頬を撫でた。
男らしいその指触りにほっと息をつく。


「ゆっくり眠ってくださいね」

そう呟くと、周は目を閉じ、眠りの世界へ落ちて行った。


目が覚めると、周の規則正しい寝息が聞こえてくる。
その音で安らかな気持ちになる自分に軽く笑い、夜月はベッドを下りた。

だいぶ体の調子が良くなっている。
周のおかげだな、と息をついて、シャワー室へ入った。
温かいシャワーが気持ちよくて、再度深く息を吐き出す。
さっと体を洗い、さっぱりしてシャワー室を出る。
着替えを済ませて部屋に戻れば、周はまだ眠っていた。


ベッドに腰をかけて、周の頬をなでた。
なめらかで、少し大人になった肌に思わず笑ってしまう。
周も背が伸びて、男らしくなった。
夜月より少し小さいが肩が並びそうなくらい。
子供の成長は早いもんだ、とクスクスと笑ってしまう。
再度周の頬を撫でて、その頬に口づけた。


「私だけの周…。私だけの強い、お前が愛おしい」

深く眠りについてる周の頬へ口付け、夜月は部屋の窓をあけに腰を上げた。
窓を開けると、夜風が入ってきて、いつの間にか真夜中になっていることに気付く。
月明かりが眩しいくらい、明るい。
星がその明りでまったく見えない。
大きな月を眺めていると、隣にぬくもりを感じた。


「体は大丈夫ですか?」

「ああ、大丈夫だよ。…お前は?」

「俺は夜月さんと違って頑丈なので」

「そう」

隣で笑う、お前に、そっと愛をささやく。
私だけの強さを永遠に。

“私を守れるのは、お前だけだよ”

私の愛すべき強さは、嬉しそうに笑みを浮かべた。


end

後書
リクエスト内容
 周と夜月の話

この依存カップル。
今回はノーマルに甘くしてみました。
夜月さんは周にでろでろなので、
きっと周が眠っている時にべたべたしているんだろうな、 
とか妄想して書かせていただきました。
にやにやして書いていましたので、ところどころにやにや感じ取られたら面白いです。
けめこ様、リクエストありがとうございました。
先生と僕を最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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