変な癖? どんな癖?

完結記念リクエスト
キイロ様


「周、井上さんから聞いたよ。私の変な癖とは一体何なんだろうね」

あまり良いとはいえない笑みで、夜月は微笑んだ。
まるで獣が獲物を見つけた時のような瞳だ。
皮膚が泡立つのを感じて、周はぶるりと体を震わせた。


変な癖? どんな癖?


ベッドの上で組み敷かれながら、夜月に囁かれる。
甘やかな、それでいて強引な声は、周が執着する声だった。
好きで好きで仕方がない。
いつからかはわからない。
けれど、この声が好きなのだ。


「…絶対、言わない…っ」

掠れた笑い声が聞こえ、体が震える。
肌蹴られた浴衣に、視線を感じて、声が漏れた。


「いつまでも、意地を張っていると辛くなるのはお前だよ。言ってしまいなさい」

「言うもんか…っ!」

太ももを指先が這い、いやだいやだと暴れる足をおとなしくさせる。
恥ずかしいのか、周は息をつめ、唇を噛みしめた。


「お前はいつもそうやって我慢する。できもしない我慢を」

「ひっ…! くっそ…っああっ」

指先が自身に触れて、周は背中をそらした。


「早く言いなさい。言わないと、達することができなくなるよ」

きゅっと握られて、周は噛みしめていた唇を開放した。



「…っ! 風呂入ってるとき…、必ず、俺の首に痕残したり…っあっ」

「それは、おかしいかい? 愛しいものの体に自らの印を付けるのが?」

「…そ、それだけじゃ…っ」

夜月がクスクスと笑うのが聞こえる。
耳をふさいでしまいたかった。
ふさげない耳と、強張る体が憎らしい。


「唇の皮をむいたり…、俺の、…」

「俺の?」

「俺が、鼻血、出した時、…」

夜月の手から力が抜け、夜月は呆けた顔をした。
自分の癖に気付いていなかったのか、頭に手を当てて考えている。
思い当たったのか、夜月は申し訳なさそうな顔をした。


「…もしかして舐めたのか」

「…はい」

「それは、悪かった。お前から出たものだと思うと」

「それ以上はもう…黙っててください。変態」

夜月が当分周の体に触れなかったのは、言うまでもない。

変な癖? どんな癖?


夜月さんはどうやら鼻血を舐めて、唇の皮はむいて、首に痕をつける変態のようです。
end

後書
リクエスト内容
 周に質問(夜月の変な癖は)
 夜月に言葉攻め&羞恥に悶える姿を視姦されながら

…いつになく変態でごめんなさい。
夜月さんは変態を極めた変態かな、とこんな人にしてみました。
すみません。もし書きなおし等ありましたらもっとまともな変な癖(?)にします。
好きなんです。鼻血舐める攻めとか受けとか。すみません。
楽しかったです。
変な癖シリーズありがとうございました。
キイロ様、リクエストありがとうございました。
先生と僕を最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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