「あっ、おーい!風丸!」

遊園地の前で待ち合わせということで俺達が行ってみれば、もうみんな集まっていた。一応円堂には遅くなったことを告げた。いいって!それより早く入ろうぜ!…さすが円堂、心が広い。

「あ、あの…!」
「ん?あー音無春奈!」
「はいっ!まだ覚えててくれたんですねっ!?」
「そんなに物覚え悪くないからな」

一気に頬を赤く染めていく音無。おいおいちょっと待て。なんか恋しちゃったみたいな展開に俺は見えるんだけど気のせいだよな。あくまで憧れなんだよな?こいつに憧れるのもどうかと思うが。あのグルグル眼鏡さえとればかなり可愛くて文句もないんだがなあ…。やっぱりとらない方がいい、悪い虫が増える。

「今日の服凄く似合ってますよっ!」
「ありがとう」

なんだこのいい雰囲気。俺耐えられない。しかもあの眼鏡についてはスルーっていうのがまたなんとも言えない。

「おい、あっちの方見に行かないか?」
「ああ、行くか」
「……」
「…一緒に行くか?」
「いいんですか!?」
「いいよな、風丸」
「え、あっ、ああ!いいぜ!」

いいわけないだろ!!せっかく二人きりになれると思ったのに…!よろけそうになりながらも必死に堪えた、いろいろと。

「ここにいたのか、春奈」
「お兄ちゃん!」
「一緒に回ろうと思ってな」
「え…でも…」

チラチラと俺たちを見る音無は多分返事に困っている。俺としてはそのまま鬼道と一緒に回ってくれれば万々歳なんだが、こいつがどう思うかなんだよなあ…。あの眼鏡じゃどんな表情してるのかわからないが。

「…風丸たちと回る予定だったのか」
「うん…」
「そうか、わかった」

あれ、鬼道があっさりと引き下がった。もっとこう、言葉巧みに音無を連れ去るのかとてっきり「なら、俺も一緒に回らせてもらう」だよなあ、そうだと思ったよくそっ。


120315
鬼道はシスコンだと認識しています。

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