「なあ、」
「ん?」
「ケーキバイキングに行こうぜ!」

はい?思わず間抜けな声が出てしまった。突然なにを言い出すんだこいつは。

「やだ、行かない」
「えーいいじゃんかよー!」
「そんなんだからデブン太って言われんのよ」
「それ言ってんのお前だけだから」
「とにかく!行かない」
「ちぇっ、付き合いわりぃな…」

ぼそっと、少し悲しそうに呟いた。そのあとジャッカルを見つけたらしくいつも通りに戻ってた。どうせ、ジャッカルと一緒に行くことになって機嫌がよくなったんだろう。私と話してる時よりずっと楽しそうに見える、いつもそう。笑い方だってあんなに声出して笑わない。苦笑いに近い笑い方する。そんなにジャッカルがいいなら私のところに来なければいいのに。あああああっ!!!

「もうっ!!!」
「…びっくりするじゃろ…」
「あ、ごめん仁王」

気づいたら目の前に仁王がいた。恥ずかしい、誰もいないと思っていたのにまさか仁王に見られるなんて…。しばらくはネタにされるな。

「ご機嫌斜めじゃのう」
「まあね…」
「そうそう、ブンちゃんがお前さんのこと呼んでたぜよ」
「あいつが?」
「まあ行ってみんしゃい、場所は屋上」
「………」

取り敢えず茶化してきた仁王に一発入れて屋上に向かった。あっちから来ればいいのになんでわざわざ私が行かなければならないのか謎。



「……お、来てくれたんだ」
「…で、なに?」
「あー、あのな、今度の土曜日一緒に出かけようと思ってな」
「………」
「ケーキバイキングじゃねえぞ、普通のバイキングだ!」
「大して変わらないし」
「い、いいだろ!」
「…でも行かない」
「はあ?なんでっ!?」
「なんでも、それにいつもジャッカルと一緒に行ってるでしょ」

私と行くよりよっぽど楽しいと思うけど。そう言えば、眉間に皺を寄せて少し低い声でしゃべり出した。これは怒っているのか?なぜ怒っているのか理解できない。

「俺、お前と一緒に行きたくてここ最近ジャッカルも含め誰とも出かけてないんだ」
「は?」
「この意味、わかんだろ?」
「いや、全然」
「はあー…」

盛大な溜息。次にあきれ顔。よく表情が変わるな。

「ここまでだとは…」
「なんの話?」
「っ、なんでもねえ!それより、今度の土曜日出かけような!二人で!」
「行かないって言ってるんだけど」
「俺が払う、全部払うから!一緒に行こう!なっ?」
「いやいやいや、それダメでしょ」
「なんでだよ」
「こっちが悪い気持ちになるから」
「んなの気にすんなって!じゃっ、今度の土曜日駅でなっ!絶対だぞ!」
「ちょっ、待っ!」

…さすがテニス部、足が速い。しかし押しつけるように言って去っていったな。最後断ってないからこれは行かないといけないかな。もし駅で待ってたら……。……………うん、行こう。高いもの食べてあいつを泣かしてやろう。


服、なににしようか、な…。


110818
久しぶりすぎてこれはやばい。
リハビリリハビリ
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