待ちに待ったあいつとの遊園地。…正しくは部活のやつらも入れてだが。まあそれは置いておこう。ここ最近の俺は、この日が楽しみすぎて心ここにあらず状態だった。特に昨日は顔がにやけていたらしくみんなから少し引かれていた。まあそんなことはどうでもいい。そう、どうでもいいんだ。問題は、

「なんでいつも通りなのかな?」
「だっていつもこんな格好だからいいかと。」

なにか問題でも?とあのぐるぐる眼鏡越しから目で語ってきた。うん、まあ、問題かな。一応遊園地という公共の場へ行くんだ。いつも通りはさすがにダメだろうってかダメだ。周りの視線が痛い、俺には想像出来る。服だって夏休みの少年がカブトムシを捕りに行くような服じゃないか。何をこれから捕りに行こうというんだ…!

「みんなお洒落してるんだから、お前もお洒落しろ。」
「えーめんどくさ、」
「はいはい、着替えてきて。」

待ち合わせ場所が家の前でよかったと思いながら家の中へと押し込んだ。すぐ出てこないところをみると着替えに行ったことがわかる。あのまま連れて行ったらどうなっていたことやら。あ、でも待てよ…逆にお洒落して行ったらマズいんじゃないか?あいつ凄く可愛くなる、し………、!!!うわあああああああああああっ!!!そっちの方が厄介じゃないかっ!!いろんな男がいやらしい目で見てくるぞ…っ!!それに円堂たちだって狙ってくるかもしれない…っ!!あーなんで着替えに戻らせたんだ!!

「どうしたら…!」
「着替え終わった。」
「えっ、はっ…!?」
「なに?」
「い、いやあ、なにも…」

馬鹿だ、俺は馬鹿だ。こいつが尋常じゃないのを知っているじゃないか。こいつはいつも斜め上のやつだろ…!今だって服は花柄のワンピースで下はサンダル。髪はボサボサだったのに綺麗に整って可愛くなった。なったけど、なんであの眼鏡を外さなかった…!俺としては嬉しい、凄く嬉しいんだけど、それは違うだろ…!


110818
方向性を見失ってる気がするんだ。
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