あの日から俺は、あいつからおかんと呼ばれている。周りは吃驚してるというのに、呼んでいる本人は全く気づかない。だから俺はもう諦めた。
「おかん、明後日の日曜日暇?」
「ごめん、その日円堂達と約束があるんだ。」
円堂達との約束は、商店街にあるスポーツ店に行くという約束。グローブがボロボロだからそろそろ新しいのを買わないと、って言ってたからな。俺はそのついでに新しいスパイクでも見る予定。ちなみに円堂、豪炎寺、俺の三人で行く。
「ならいいや。」
「他の日じゃダメなのか?」
「気分が日曜日だったから他の日はダメ。」
「そ、そうか。」
断ったのは申し訳ないが、その日おかんと呼ばれないと思うと少し嬉しくなる。それにしても気分が日曜日だったから他の日はダメって…。なんて気分屋なんだ。
「じゃ、帰る。」
「あ、ああ。また月曜日。」
返事代わりに手を振ってきた。後ろ向きで。こうやって見ると女子なんだけど、格好いい男子に見えてくる。後ろ向きの時だけな。
100823
話ずれた。