「…なあ、なんで雷門中に来たんだ?」
「親の都合。」
「じゃあ、こっちに転勤になったって事か。」
「さあ。」
「……………。」

さっきから話をすればずっとこの調子。短い一言しか返ってこない。意外だ。こんな格好をしてるのに無口で無愛想って…。もっとハジケてる感じの子かと思ったのに。ギャップがありすぎ。それにしても、無愛想にも程があるな。話しかけてもずっと窓の外を見てて顔すら合わせようとしない。あれか、グルグル眼鏡を掛けてるからとか、人と話すの苦手とか。だからってずっと窓の外見てるわけないよな。なんか、

「扱いにくい…。」
「よく言われる。」
「え?…あ、はっ!」

しまった!心で思ってた事が知らない間に口から出てきて…!

「ご、ごごごごごめんっ!そんな事言うつもりじゃ、」
「いいよ、別に。」

無理しなくても。その時、初めて顔を合わせてくれた。目が合ったかはよくわからなかったけど…。やっと顔を合わせてくれた事に少し嬉しさを感じた。けど、このタイミングであの眼鏡は反則だろ。

100818

第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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