「ここが名無しの家か」
「はっ、ずいぶんボロいじゃねーか」
「失礼な!あたしの家は普通に綺麗です!って、あれ?こんなにボロかったっけ?…ん?」
「どうした」
「表札が違うなーってあたしの苗字に一文字も被ってない…はっ!」

まさか、あたしの両親のどちらかが再婚…!?え、でも昨日までずっとラブラブしてたし、再婚なんてするわけ…いやでも、ずっとこの事を隠すための演技だったり…!?あっ!だったら宇宙人さん達のところに運んだのは本当はチューリップさんじゃなくてあたしの両親なのかも…!それだったらこの事が、納得出来ちゃう!あたしの口を封じるために宇宙人さん達のところに運んだ。なんて事なの…!あたしに内緒で勝手に再婚しちゃって…!しかもこんなボロい家の人と…!なんか物凄く腹が立ってきた!ドア蹴って中に入ろう!あ、でもちょっと恥ずかしいから、ピンポンダッシュでもしてやる!

「口封じって…アンタその事知らなかったんだろ。なら口封じの意味ねーだろ」
「ちょっ、チューリップさんなんであたしの考えた事が…!まさか、読心術ね!」
「もろ口に出てたんだよ、バーカ」
「うっ、バカって、バカって…!」
「誰にでもそういう時はあるさ。気にするな」
「ガ、ガゼル…!」
「なんで最終的に俺が悪いみたいになるんだよ!」
「今のは貴様が悪いんだ効果音。名無しと貴様を一緒にするな」
「そうだそうだ!」
「そろそろ泣きたい」
「チューリップさんってメンタル弱かったんだね」
「ふん、鍛えが足りないからだよ」
「完全にアンタらのせいだよな!」



違うとは言わせない!


(あたし達なんかしたっけ?)
(どうせ被害妄想だろう)
(現実なんですけど!)


100712

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