「で、効果音」
「だから、効果音じゃねえって言って」
「私はこのままお父様に言いつけてやっても」
「あああああっ!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!!」

只今俺、バーンは、カゼルの前で正座をさせられています。目の前にいるガゼルが半端なく怖い。いや、恐い。え、何でかって?だってよ、めちゃめちゃ上から見下ろしてるんだぜ?しかも視線とか格好とか声とか物凄く冷たい。寧ろガゼル自身が冷たい、冷めてる。これで恐くないとか言ってるやつ、もれなく俺が大尊敬させていただきます。

「ねえ」
「あ?」
「なんで正座させられてるの?しかもあたしまで。あたしがいつ悪い事したのよ」

これ、おかしいでしょ。
いや、全くおかしくない。寧ろ正解だろ。勝手に人のベッドに潜り込んでおいて悪い事してないって言うのは無理がある。その前に、この基地に入った時点で不法侵入。

「おい、そこの女」
「ん?」
「名前は?」
「名無し」

おいおいおい!俺の時と態度がちげぇじゃねえかこいつ!しかも今のガゼルを見て怯える様子すらねえ!…ん?って事は、俺こいつに大尊敬するって事だよな?はあっ!?こいつにだけはぜっっっっっっってぇしねえ!

「ほう、ならば名無し。貴様はどこからここへ入った?」
「わかんない。自分の部屋でちゃんと寝たのに朝起きたらここにいた」

なんだ、俺関係ねえじゃん。無実じゃんか。

「だからあのチューリップさんがあたしを運んだんだと思います」
「やはりな」
「嘘言ってんじゃねえっ!!」



俺は全くの無実だぜ!?


(俺はそんな事しねえ!もし運んだとしても重くて途中で下ろす!)
(レディーに対してなんて失礼なやつだ!)

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100327 修正

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