キスの日。(ミヤバキ)


「じゃあ、あとでね!」
そう言って歩き出そうとする腕を思わず掴んでいた。
そのままそこに口付ける。
「……ミヤちゃん?」
驚いたような困ったような顔で首をかしげる椿。
たぶん絶対、伝わってない。
それでもいい、むしろその方がいい。
「うまくいくようにおまじないしといた」
「あ、そうだったんだ!」
ぱぁっと晴れる笑顔。
「なんかミヤちゃんのお陰でうまくいく気がしてきたっ」
「そう? ならよかった」
ごめん、椿。
かけていく背中を見送りながら心で呟く。
ごめん、椿。
お前のためのおまじないじゃなくて、ごめん。

END

腕へのキス:恋慕

[mokuji]



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