ごとーの日2012


ある朝起きたら、郵便受けに手紙が入っていた。
差出人の名前は、ない。
恐る恐る封を切ると、中に入っていたのは一枚の紙。

『おはよー。
ごとーの日だね。
外で待ってる。』

この見慣れた字はもしかしなくてもあいつなんだけど、外で待ってる、って?
まさか、と思って扉を開けると、扉の横に茶色い頭が見えた。
どうやらこいつは玄関の外で固いというのに座り込んで寝ているみたいで。
……風邪、引くぞ?
「おい、達海、起きろって」
肩を揺すって起こすと達海は、ん、と小さなうめき声とともに目覚めた。
「あーごとーだぁ」
「……とりあえず、中入れよ」
「おー」

ソファに座って一息つく。
それから、どうしても言っておきたかったことを。
「達海、」
「ん?」
「もう少し考えた行動してくれよ」
「何が?」
首をかしげる達海。
……いや、わからないか?
「なんで朝から外にいるんだって。風邪ひくだろ!」
「だって、はやくこないと後藤出掛けちゃうかもしんないじゃん」
「……は?」
今度は俺が首をかしげる番。
達海の言いたいことがわからなくて聞き返す。
「んー、わかんない?」
「……はぁ」
まるでいたずらっ子のような表情で見てくる達海に、思わず額を押さえた。
あぁ頭が痛い。こいつにはかなわない。
立ち上がって台所へ向かう。
コップに水を入れたところで達海の声がした。
「あのねー後藤?」
「なんだ?」
「今日は一日いっぱい後藤と過ごしたいなぁと思って」
「……っ!?」
思わずむせた。
あまりにもストレートなその言葉に、頬が熱くなる。
「え、えぇ?」
「だーかーら、」
いつにもまして真剣な眼差しで。
「今日一日、俺にちょうだい?」


END


―――――――
ごめんなさいごめんなさい力尽きました!!!!!
ごとーの日万歳!!!!!

[mokuji]



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