バカ、意識しすぎ(スギクロ)
「あれ、クロちょっとまって」
「あ? なんだよスギ」
すれ違う瞬間、スギが俺を呼び止めた。
振り返るとスギが手招きをしていた。
身長差のせいでスギの目の前にいくと俺は自然と見上げる形になる。
スギは首をかしげたあと、ふ、と笑うと俺に手を伸ばす。
そして、その手が俺の頬に当てられる。
……え?
「ス、スギ?」
「動かないで」
思わず声を上げる俺。スギがピシッと声を発す。
困惑してスギの顔を見ると、その目はとても優しくて。
手がふれている部分が熱を帯びる。
鼓動がどんどん早くなって、なんだか死んでしまいそうな気がして、…俺は目をぎゅっとつぶった。
スギのもう片方の手が俺に触れて、……そして、離れた。
・・・あれ?
クス、と笑う声が聞こえる。
恐る恐る目を開けると、スギの笑いを耐える顔。
「クロ、真っ赤」
「…っるせーよ」
―――――――バカ、意識しすぎ
な、なんだったんだよ結局!
ん? ゴミがついてただけだよ。クロってばなに考えてたの?
……なっ何も考えてねーよ!!
※素敵なお題をお借りしました。
(C)確かに恋だった
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初々しい恋10題より「バカ、意識しすぎ」
[mokuji]