その笑顔は反則だから サクセラ←ザキ?

「くっそー、なかなか決めらんねー!」
「世良さんうるさいッスよ」
「だってよー赤崎ぃー!」
「わかったスけど。でもうるさいッス」

世良さんと話をしながら更衣室に戻る俺。
さっきまでの試合の話なんかをしていると、世良さんが、アレ、と声を漏らした。

「どしたんスか?」
「タオル、ねーんだけど」
「・・・日頃の行いが悪いんじゃないスか」

なんだよあいかわらず赤崎はいつもつめたいなー!
別に俺は困ってないッスし? あ、ちょっとなにするんスか俺のタオルとらないでくださいよ!別にいいじゃんかしてくれたって いやッスよ離してくださいって

「うるせぇ」「わぷっ」

一瞬にして世良さんの顔が消える。
横から飛んできたタオルが世良さんの顔面に当たったみたいだ。
世良さんは一瞬固まってから、かぶっているタオルをバッととった。
あたりをきょろきょろすると何かを見つけてあっと声をあげた。
視線の先にあったのは、・・・堺さんの背中。
世良さんがその背中を追っていく。

「堺さん!これ、堺さんのタオルッスか?借りていいんスか!?」
「うるせぇよ。それ持って黙ってろ」
「マジスか!?やった!あざーッス!!」

バッと頭を下げ、それからこっちへはしってくる。
俺は背を向け、水分を補給する。
・・・見なくても表情なんてわかったから。

「赤崎ぃ!堺さんがタオル分けてくれたぞ!いいだろ!!」
「・・・」

ちらり、と世良さんを見る。
ふんふんと鼻歌を歌いながら汗をふく世良さん。
やっぱり、犬みてぇ。尻尾とかぶんぶん振ってそう。

「世良さん」
「ん?」

きょとんとした顔でこっちを向く世良さん。
首を傾げて見上げてくる。
・・・はぁ、まったく。

「・・・よかったッスね」
「・・・!おう!!」

ぱぁっと浮かぶ満面の笑み。
ほんと、人の気も知らないで・・・。


――――――その笑顔は反則だから。







※素敵なお題をお借りしました。
(C)確かに恋だった
http://85.xmbs.jp/utis/
初々しい恋10題より「その笑顔は反則だから」


[mokuji]



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