雨の日と君 (基+緑)

ある雨の日、家に帰る道を歩いていると、電柱の影に傘が見えた。
誰かがしゃがんでいるのか。
具合でも悪いのだろうか、と少し心配になって近寄ってのぞいてみると、

「緑川」
「え?…あ、ヒロト」

先に帰ったはずの緑川だった。
どうしたのかと思って彼の視線の先を見てみると、段ボール箱。
白い小さな耳が見える。

「子猫、見つけちゃって」

ふるえてるし、寒そうだし、かわいそうだし、…気になって帰れなくて。
そういって困ったように笑う緑川。

「つれて帰らないの?」
「つれて帰ってもいいのかわからなくてさ。せっかくつれて帰っても捨ててきなさいって言われたら嫌だし」
「でも、このままここにいたら緑川が風邪ひくよ」

うーん、とうなる緑川。
…全く、仕方ないなぁ。

「え、ヒロト?」

段ボールを抱えると、緑川が慌てたように名前を呼んでくる。

「心配なんでしょ?つれて帰ろう」
「…!うん!」

でも怒られるときは一緒だからね!

[mokuji]



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