わかってる、それでもうれしかった。(佐久間と源田)

たったったったっ…
後ろから、走ってくる音が聞こえる。

「おはよう」
「…お、おはようございます!!」

振り返ると、鬼道さんがいた。
朝一番に会えたのが鬼道さんだなんて、すごくラッキー!!なんて思ってたら、鬼道さんがくちをひらく。

「一緒にいってもいいか?」
「もももももちろんです!!」

そんな、まさか一緒に行けるなんて!!
隣を歩く体温を感じて、とても幸せに思う。
今日はとてもいい日になるかもしれない!!


――――…


「それで、鬼道さんが」
「待て、それはいつの話だ?」
「え?今朝だよ?あれ、昨日?」

目の前で、源田が眉をひそめる。

「佐久間、お前、何をいってる。だって鬼道は転こ」
「わかってる」

源田の眉間のしわが深くなる。
あれ、もしかして、最初に言うのを忘れただろうか。

「そういう夢を見たんだ」


――わかってる、それでもうれしかった。



―――――――――――



[mokuji]



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