モヒカンの理由 (不動と円堂+α)
ある日の練習後、円堂が不動を呼び止めた。
「不動…俺、ぜんぜん気がつかなくてごめん…」
「は?なにがだ?」
「お前にもいろいろ悩みとかあるよな…」
「いや、だからなにが…」
「これからは、俺に何でもいってくれよな!」
にっ、と満面の笑みで不動を見る円堂。
不動は呆気にとられているようだ。
「あれ?ちがうの?」
円堂がきょとんとする。
「ストレスで禿げてそんな髪型なんだって聞いたんだけど…」
「なっ…」
首を傾げて言う円堂。
不動は真っ赤になって、拳をぎりりと握りしめている。
髪のない頭に血管が浮く。
「円堂、それをお前に言ったのは誰だ」
「えっと、鬼道が教えてくれたんだ」
プツッと音が聞こえた。ような気がした。
さて、
「鬼道てめぇ!変なこと吹き込んでんじゃねーぞ!」
俺は監督のところでもいってくるとするか。
目金のいうところの、「戦略的撤退」というやつだな。
「鬼道ーーーーーーー!!」
―――END
[mokuji]