モブ
ぐちゅっぐちゅっと何かをかき混ぜるような水音がトイレに響く。
「や……っあ、ぁ!」
「にいちゃんも酔狂だよなぁ?自分を痴漢してる奴の手を捕まえてトイレに連れ込むなんざ」
男は自分が出した精液が溢れだすソコを乱暴に突くとにやりと笑って、自分を銜え込んでいる若い男の耳元で囁いた。
「あっ……はげしっ……はぁっ」
少し魔が差し目の前の純朴で人当たりのよさそうな…痴漢をされても泣き寝入りしそうな彼の尻を撫でたが自分にとっては軽い遊びのつもりで、まさかこんなことになるとは。
(顔は地味だが悪くねえな)
奥を突くたびにあげる甘い声も、達する際に眉間にシワをよせる表情も、口では嫌といいながらもっと、と縋る目も男を煽るだけにしかならない。
「んんっ、……はぁ、あっ……ぅっ……」
「痴漢されて感じたのか?嫌っていう割には何回出しても萎えねえな?」
「や……だっ、いわないで……んっ」
すでに2回達している彼のまわりには白い液体が飛び散り、行為の激しさを表していた。
「ほら、注いでやるからしっかり受け止めろよっ……!」
「っ……あぁっ!」
男は律動を早くすると腰を打ち付けるように奥へ精を放つと、その熱を受けた衝撃で彼もほぼ同時に達した。
きゅっと締め付けられる感覚にぞくりとしながらも男は彼の中から自身を抜くとトイレットペーパーで軽く精液を拭き取り身支度を整え、床に座り込む彼は眺めた。
達した余韻で体に力が入らないのか、ぺたりと座る姿は庇護欲をそそる。
しかし、それと同じくらいにぐちゃぐちゃにしてしまいたいと、そう思ってしまう。
「あんた、名前は」
「……座木」
「くらき、ね。んじゃ、また会ったら楽しい事しような、座木さん」
男はそう言い残すとトイレの個室から出ていった。
残された男……座木は飲み込み切れなかった精液が溢れだすソコに指を入れるとぐちゅりとかき混ぜた。
「……まだ、足りないですね」
とても純朴遠い妖艶な笑みを浮かべると座木は服を身につけ人が溢れる電車の中へと歩いていった。
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