リベザルとユノ
※女体化注意
「いってて……柚之助、大丈夫?」
階段から落ちた衝撃はリベザルが下にいたお陰であまりない。それよりも、もっと大きな衝撃が柚之助を襲っていた。
(っ……や、柔らかい?)
リベザルを下敷きにして倒れたままの姿で、柚之助の右手の下にあるのはリベザルの薄い胸。どけようと慌てて手に力を込めると、指先から伝わる違和感に柚之助は困惑した。
柚之助の小さい手のひらを緩く押し上げる弾力。自分の…男のまっ平らな胸には得られない感触だ。
(意外と胸筋がある……とか?)
しかし、シャツから伸びるリベザルの腕は細く頼りないものだ。あまり筋肉はないはず。
「柚之助大丈夫?あ、もしかしてどこか打った!?」
下から聞こえる心配そうなリベザルの声に我に返った柚之助は素早く起き上がり、リベザルの体から距離を取った。
「だ、大丈夫!ちょっとびっくりしただけ!ごめん、ちょっとトイレ行ってくる!」
「あ、柚之助!」
自分の声が上擦っていることに気づいていない柚之助は、リベザルが呼び止めるのを聞かずに逃げるように部屋を出た。
「トイレそっちじゃないのに……どうしたんだろう」
一人残されたリベザルは、訳がわからず首をかしげていた。
*
一目散に与えられた客室に飛び込み、柚之助は真っ赤に染まった顔を布団に埋めた。
「さっきの、リベザルの胸って……でもリベザルは男……だよね?」
先程の感触を思い出しさらに顔が熱くなるのがわかった。
「柔らかくて気持ちよかったな……って違う!ど、どうしよう。これからリベザルにどんな顔して会えば……!」
柚之助の切実な叫びはもごもごと声にならずに、布団の中に吸い込まれていった。
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