1.大切なただの幼なじみ

ちか兄、こと長曾我部元親。


彼はお隣に住む3つ上の私の幼馴染だった。


いつも綺麗な髪を靡かせて、
いつもお花を持って、
いつも優しくて、
時には喧嘩なんかして私が泣かせてしまったこともあったけれど仲直りした時の笑顔がいつも眩しかった。

時に彼は本当は女の子じゃないだろうか、そう疑ってしまうほどに可愛らしい男の子だった。
実際に姫と言われていたことがあるぐらいに。
そのせいで小学校の間何人かの男の子に意地悪された、そう聞いたことはあるけれど。
でも私はそんなちか兄が大好きだった。


『ちか兄は私が幸せにするから!』


なんてプロポーズをしたのも事実。
そして、その時にちか兄が頷いたのも。


『僕が大人になったらちゃんとプロポーズしなおすよ』


だけどそう返された。

当時の私としては素直に受け入れてもらえなくて少し不満があったけれど今思えば、幼馴染同士の小さい頃の約束なんて…

なんてちっぽけで、馬鹿らしいものなのだろう。


あの頃の私は5歳。ちか兄は8歳。

今の私は15歳。ちか兄は18歳。


今となって”姫”はどこにもいない。
私の傍にいるのは”鬼”。





「よお名前!」

「もうちか兄、また血出てる!
 あちこち怪我して高校デビューも何年目よ…はい、絆創膏」

「いつも悪いな、助かるぜ」

「悪いと思ってるなら喧嘩はやめてよね」

「それとこれとは…」

「はいはい、ちか兄がまともに聞くような素直な子とは思ってませんよーだ」



いつもそんな会話をしてお互いの家に入るのだ。
昔のような柔らかな雰囲気はどこかへ消え去った。


だけど変わることのない関係。
ただの、大切な…幼馴染。



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第一話目でした!!幼馴染年上アニキです!!
こんな幼馴染が欲しかったという願望がんがんにして書きます(*´∀`*)




  


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