第三十三話

「政宗さん・・・」
「名前、アンタは何を恐れてる?
 俺がアンタを離すと思うか?
 生憎俺にはそんな気はこれぽっちもねぇ you see?」
「政宗さんはいいんですか、私が政宗さんのことを想っていて?」
「ha! 俺にとってこれ以上のことはねぇな。
 名前、ずっと俺を好きでいてくれるか?」


そんなこと、
そんなこと当たり前に決まってる。
たとえ、政宗さんに好きになるなと言われても私は好きだった。


「政宗さん、大好きです」

私の頭を撫でている政宗さんの手を取り、私は精一杯そう言った。
ずっとずっと言いたかった、恋心。

政宗さんはゆっくりと顔を近づけ、唇を私のものと重ねた。
口付けはどんどん荒々しいものに変わっていき、私は政宗さんに付いていくのが必死になって袂をぎゅっと握った。

そんな私に政宗さんは気を良くしたのか、舌を差し入れ私の舌と絡め、吸う。
そうすれば、私の口からは自分でも聞いたことのない声が上がる。


「んぅっ・・・、政宗さん、私ずっと此処にいたいです」
「だから、名前の居場所はずっと此処だ。
 俺の傍にいろ、離さねぇからな?」
「離さないで、私を此処に置いてください」
「愛してる」





神様、お願いだから此処にいさせてください。
私から政宗さんを取らないで。
もう死にたくない。
一生この人の隣で生きていたいよ。



兄さん、私に好きな人ができました。
私兄さんのことが好きだよ。
それでも、この人と共に生きていきたいと思いました。
最後まで兄さんの前で悪い子でごめんなさい。
いつか会える日が来たのならば、謝らせてください。
妹を忘れないでください。



「政宗さん、愛しています」








  


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