第十四話

そして、とんぼ返り。
私たちは伊達一行は奥州へ帰ってきた。
もう馬に揺られ揺られで、腰が痛いよ・・・。
気分はおばさんになった気分だよ。


「政宗様、名前さん、おかえりなさい」

さっそく帰るなり私たちを出迎えてくれたのは喜多さん。
いつものような笑顔を見るとなんだか安心してしまう。

「あらあらもう疲れちゃった顔で・・・。
 政宗様、もう名前さんはお休みにしても構いませんね?
 休みなしで政宗様のお相手をさせてしまったことですし・・・」
「ああ、名前、お前はもう休んでろ。体調も悪いことだしな」
「え、体調が悪いのですか?大丈夫ですか?」

喜多さんは驚いたような顔をして私の顔を覗き込んだ。
政宗さんに支えられて立っているが正直フラフラだった。

「喜多もこいつの体調を気を付けてやってー」
「あの!もう、大丈夫です!!
 甲斐でご迷惑を掛けながらも休ませていただきましたから!!」

政宗さんが私に気を使って喜多さんに私が無理をしないように頼むつもりだったんだろう。
喜多さんの方も政宗さんが言えば、すぐに何も思わずわかったと答えてしまうことが目に見えている。

そうやって、気を使われるのが嫌だった。

しようがないことだとも思うし、私のわがままだとも思う。
でも、これ以上此処にい辛くなるのは嫌で。

「喜多さん、私は今日はほとんど休んでいた訳ですからまだまだ大丈夫です!
 体力有り余ってます!!」
「でも・・・政宗様?」
「・・・・・・名前、そんなに働きたいなら、着替えてから一段落したら俺のところに来い。
 喜多、無理はさせないから心配すんな」
「わかりました」

何とか心配は掛けていないことに安心する。
私は政宗さんと喜多さんに失礼します、と声を掛けてその場を去った。

部屋に一人入った途端に疲労感が私を襲った。
良く考えてみればとんぼ返りは現代でもきつかったのに、戦国時代の今でした訳で疲れるのも当たり前だ。
でも、政宗さんは疲れた様子は無かったし、むしろ生き生きとしていた気がする。
そんなところを見るとさすが武将だと思う。


いつもの袴に着替え、私は政宗さんの部屋に足を運んだ。

「政宗さん、私です」
「名前か、入れ」

部屋に入ると政宗さんは着替えたのか袴を着流していた。
ちなみに、疲れている表情は一切ない。

「アンタに言っておきたいことがある」









  


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