第八話
政宗さんが手綱を握る馬へ乗せられ、どのくらいが経ったんだろう・・・。
いつの間にか大きな館ー、なのかな?
建物が目に映った。
「ようやく着いた・・・、降りられるか?」
え、お馬さん大きいのに私が無事で降りられるわけがない。
降りられないと言うのも悪いし、なかなか降りることもできなくて戸惑っていたら政宗さんが先に降りて私を下に降ろしてくれた。
「すいません」
「気にしないでいい。
そうだ、此処にいる真田は女は苦手らしいから気をつけろ」
「女に、ですか?
政宗さんとは真逆ですね」
「何か言ったか?」
「い、いえっ、何も!
あ、此処の方が来られました」
何とか誤魔化し、一難は去った。
『まーさーむーねーどのおおぉーーーーっ!!』
こちらへ凄い勢いで走ってくる男性。
声だけで暑苦しそうだな、とか思ってしまう。
姿が近づくたびに大きくなってくる声・・・−。
私が知っている声にひどく似ていた。
兄さん、−?
「政宗殿、お久しぶりでござる!!」
確かに目の前には兄さんの顔があった。
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