07

「義姉上、大丈夫ですか」
「う、うん…ごめんね、親貞くん。こんな夜中に起こしちゃったみたいで」
「いえ、俺はなんとなく起きたら大変な事態になってて姉ちゃんに兄貴を止めろと言われたので止めたまでです。
 それに義姉上のためなら俺は何でもします」
「本当にありがとね」


お姉さんから借りた小袖を整えながら、親貞くんにお礼を言うと彼は嬉しそうに笑った。
あの時は元親くんほど上だったというわけでもないけど、私より5歳以上は年上だった。だけど今こうして年下になっていると可愛いもので、恋愛感情とか別だけど愛おしくなることもある。



「…あの、義姉上はやはり今でも兄貴のことを?」
「片思いだけどね」
「ですが、兄貴の中に先ほどでもわかったと思いますが…少なからず義姉上の記憶が。一度だけ、義姉上の出てきた夢の話を聞きました」
「本当?」
「本当じゃなければ敵に塩なんておくりません…それでは、おやすみなさい」
「うん、おやすみ」


再びお姉さんの部屋に戻れば、一気に足の力が抜けてその場で崩れた。


「名前ちゃん!?」
「あ、大丈夫なんです…いろいろあって、安堵しちゃって」
「大丈夫だった?ごめんね、私が無理に夜這いなんかやらせちゃって」


数時間前の。

『いい?名前ちゃんは400年前に名前ちゃんよ!』

そう言って私の着ていたものを脱がせて小袖を着せたお姉さん。
確かに大変なことになりかけたのは事実。
だけど、元親様の想いが聞けて、元親くんが私をあやふやだけど確かに覚えていてくれて。すごく嬉しかった。


「私っ…元親くんに、またこうやって恋できて、本当に…っ、よかった…」
「よしよし、泣かないで」


お姉さんが私を抱きしめる。
それがあたたかくてさらに涙を誘われる結果となってしまった。


「好きになってもらえるよう、頑張ります」
「うん、名前ちゃんなら大丈夫だからね」




結局泣きながら朝を迎え、翌朝目を腫らしてしまい急いで濡れたタオルで対処したのはもう少し先の話。






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うわあ、夢主健気☆
最近泣き虫夢主が多くって…なんででしょうね笑
私病んでるんですかね笑




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